2006年6月2日(金)「しんぶん赤旗」
新価格政策
小・中規模農家に打撃
紙議員質問 努力ふみにじる
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日本共産党の紙智子議員は一日の参院農林水産委員会で、作物ごとに行ってきた価格政策をすべて廃止し、ごく一部の大規模経営だけを対象に助成金を出す「品目横断的価格政策」を実施する農政改革関連法案の問題点を質問しました。
砂糖の原料作物については、これまで価格保障などが行われてきましたが、北海道の輪作農業に必要なテンサイは、「品目横断的価格政策」の対象となり、沖縄県、鹿児島県南西諸島の農業を支えるサトウキビは、全生産者対象の最低生産者価格制度から対象限定の交付金にかわります。
紙氏は、テンサイへの交付金が、政府の定める生産努力目標を上限とされることで、生産面積は縮小すると指摘。これは自給率向上という政府の目標とも反し、地力を維持するために多大な負担にも耐えてテンサイを生産している農家の努力をふみにじるものと批判しました。
中川昭一農水相は、生産面積は「減らすこともあれば増やすこともある」などと答弁しました。
また、サトウキビへの交付金の要件は、「一ヘクタール以上の農家」「一定の作業規模を有する共同利用組織に参加している者」などとなっていますが、沖縄県では八割が一ヘクタール以下です。
紙氏が、政府は「ほとんどが対象になるというが、現時点で対象となる数字を示してほしい」とただしたのにたいし、西川孝一農水省生産局長は、「現時点ではわからない」と答えました。