2006年5月31日(水)「しんぶん赤旗」

米軍再編閣議決定で質問

住民の安全先送り

赤嶺議員批判

（写真）質問する赤嶺議員＝30日、衆院安保委

　「閣議決定は住民の安全を先送りし、基地建設だけはすすめるというものだ」。日本共産党の赤嶺政賢議員は三十日の衆院安全保障委員会で、閣議決定された米軍再編の基本方針における沖縄・名護市への新基地建設について、安全の保証もなしに米軍との約束を自治体に押し付ける政府の姿勢をただしました。

　赤嶺氏は、基本方針が新基地建設に関し、米軍再編「最終合意」案を基本にするとしたことをめぐり、沖縄県が求めているキャンプ・シュワブ内への暫定ヘリパッドの建設を政府は受け入れる考えがあるのかと質問。額賀福志郎防衛庁長官は「県と地元の意見に留意して早急に代替施設の建設計画を策定する」とのあいまいな立場を表明しました。

　さらに新基地の運用問題で赤嶺氏は、住宅地上空を飛行しないでという住民の要求にたいする米側の同意を政府は得たのかと追及しました。「『最終合意』によって理解は得られている」との答弁にたいし、赤嶺氏は交渉当事者のローレス米国防副次官が民放のインタビューで、住宅地上空を飛ばないとは約束できないとのべたことを指摘し政府のごまかしを批判しました。

　赤嶺氏は「住民の要求は上空をいっさい飛ばないということだ」とのべ、そのための合同委員会の合意や使用協定をいつ結ぶのかと質問。「誠実に実施していきたい」との答弁にたいし、赤嶺氏は「負担軽減といいながら全部先送りだ。結局、後になったら取り返しのつかない基地の運用だったということを沖縄は何度も味わってきた」と強調しました。