2006年5月17日(水)「しんぶん赤旗」
建築検査 民間は無理
基準法等改正案 利害関係分離を
参考人指摘
穀田議員が質問
民間検査機関と申請者の経済的つながりを断つべき――。衆院国土交通委員会は十六日、建築基準法等改正案について参考人質疑を行いました。建築の専門家、弁護士など八人が陳述。建築物の計画や安全性を審査する建築確認・検査を、営利企業に任せられないことが、あらためて浮き彫りになりました。日本共産党は穀田恵二議員が質問しました。
欠陥住宅や近隣紛争問題を手掛けてきた日置雅晴弁護士は、審査料に依存して経営する営利企業は「顧客である建て主の立場になり、なるべく建てる方向で審査する」と指摘。また申請する側も「競争原理によって、最も緩やかな(規定の)解釈をする機関に流れる」と述べました。
穀田氏は「チェックする者がチェックを受ける者に雇われているシステムでは、公正なチェックは期待できない」とする大阪弁護士会の提言を示し、「日本共産党は、すくなくとも検査機関は非営利の法人にし、地方自治体の委託で審査・検査する方式を提案している」と紹介。日置氏は「民間検査機関が申請者から直接お金をもらうという経済的つながりを分離する必要がある」と述べました。
日本建築家協会の小倉善明会長は、無秩序な開発行為を防ぎ、住民の住みやすさと安全を維持するための建築基準法の規定(集団規定)について、「チェックするのは、民間では無理ではないか。行政でやってもらえないか」と述べました。
穀田氏が「建築行為は周辺環境に大きな影響を与える。建築確認に周辺住民が参加できるように変えるべきではないか」と質問すると、小倉氏は「たとえば、オーストラリアでは建築に周辺住民の同意を必要とする。環境も周辺住民の資産価値であることを認めるべき」と応じました。