2006年5月15日(月)「しんぶん赤旗」
「九条の会」各地で
澤地さん迎え2500人
和歌山の46団体 立場超え手を結ぼう
和歌山県内の九条の会四十六団体共催の「輝け! 憲法九条平和のつどい」は十三日、「九条の会」よびかけ人でノンフィクション作家の澤地久枝さんを迎え、和歌山県民文化会館で開催しました。
降りしきる雨の中「澤地さんの本を読んでやってきました」と当日券売り場に並んだ婦人や、南は新宮市、北は橋本市から大型バス六台、マイクロバス十三台などで集まった参加者は二千五百人を超え、会場は階段や通路も人であふれ、ロビーに設けられた大型プロジェクター前でも多くの人が澤地さんの講演に聞き入りました。
つどいは合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」でオープニング。戦中、動物園の動物たちが処分されるなか、名古屋市の東山動物園が戦争を乗り越え守ったゾウを見たいという子どもたちの願いにこたえた実話を二百人近くの大合唱団が熱唱し、大きな拍手につつまれました。
澤地さんは、自身が敗戦を迎えた中国東北部(旧満州)での軍部・高級官僚たちの卑怯(ひきょう)な行いや、丹念な取材で掘り起こした女性たちの戦争体験を紹介。「日本は戦後、戦死者は一人もいない。アメリカはデータをねつ造までして戦争する国。アメリカと日本の戦争屋にとって九条がじゃまでしようがない」と憲法改悪勢力を批判し、「今、主義主張が違えど、九条を守ろう、で手を結ぶ市民社会があらわれた。自民党の人でも九条が大切という人はごいっしょに」とよびかけました。
湯浅町から来た男性(68)は「澤地さんの話は具体的で、憲法が大切だということに説得力があった。みんな真剣な顔で聞いていて参加者の憲法への思いの深さを感じた。誰がなんといおうと憲法は守らなければの決意を新たにした」と話しました。