2006年5月4日(木)「しんぶん赤旗」
小泉外交 八方ふさがり
海外派兵恒久法は九条空洞化
NHKで小池氏
日本共産党の小池晃政策委員長は、三日放映のNHK憲法記念日特集「小泉外交と“世界の中の日本”を問う」に出演し、小泉外交五年について「アジアとの関係が悪くなっているだけでなく、八方ふさがりでアメリカとの関係もゆがんだものになっている」と批判しました。
その原因について、小池氏は「アメリカを通じてしか世界をみない、アメリカいうがままのあり方。もう一つは、靖国神社参拝に象徴される、侵略戦争と植民地支配にたいする無反省あるいは正当化にある」と指摘。例として、米軍再編で三兆円もの国民負担を押し付けようとしていることをあげ、「三兆円は定率減税の廃止と医療制度の改革と介護保険料の引き上げの、今後三年の新たな負担分だ」と批判しました。
また自衛隊の海外派兵に関し、自民、民主両党の政調会長が「一回一回国会で議論するのは限界がある」(自民・中川秀直氏)「自衛隊を外国に出す理念を整理し、基本法にすることは必要」(民主・松本剛明氏)などと派兵恒久法を推進する立場を表明。これに対し小池氏は「一回一回、国会で議論してもまともな説明もしない政府に恒久法というフリーハンドを与えたら好き放題になってしまう」と批判しました。
小池氏は、イラク派兵でも航空自衛隊の輸送について回数とトン数しか明らかにしていない実態や、「大量破壊兵器保有」というイラク戦争開戦の大義が誤りだったことでも国民にまともに説明していないことをあげ、「こういう政府に海外派兵を恒久化するようなフリーハンドを与えたら、まさに憲法九条が空洞化する」とのべました。