2006年4月27日(木)「しんぶん赤旗」
医療制度
改悪案に異論続々
衆院厚労委参考人質疑 「保険制度壊す」
二十六日の衆院厚生労働委員会でおこなわれた医療改悪法案の参考人質疑では、ほとんどの出席者から、政府案への異論が相次ぎました。
日本医師会常任理事の内田健夫氏は、政府案が医療費抑制を目的としていることについて、「コスト削減による現場の過酷な労働は、医療事故、医療過誤に直結する」と発言。また、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」について、「国民皆保険制度を崩壊させるから、安易に導入すべきではない」とのべました。
療養病床の大幅削減について、鈴木篤・全日本民医連副会長は「はしごはずしの制度改革だ。高齢者の社会的強制退院を引き起こし、行き場のない高齢者が多数生まれる」と批判しました。内田氏は「医療難民、介護難民が発生する」とのべ、渡辺俊介・日本経済新聞論説委員も「削減した後どうなるのか、在宅医療をどのように進めていくのか、青写真が見えない」と疑問を呈しました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は、改悪案が療養病床削減の「受け皿」の一部を在宅への移行に求めていることについて、「医師不足や医師、看護師の深刻な過重労働のもとで、現実に対応が可能なのか」と質問しました。
内田氏は「在宅医療の基盤整備がまだ十分でない」と発言。鈴木氏は「介護と医療が一体化して、一人ひとりの患者に応じたサービスを保障できることが必要だ」とのべました。
高橋氏が、「混合診療」について意見を聞いたのにたいし、内田氏は「反対だ。お金のあるなしで、医療の内容に格差が生じる」と答えました。