2006年4月11日(火)「しんぶん赤旗」

社会保険料・公共料金徴収の民間開放

クレジット業界にもうけ提供

「市場化テスト」法案

吉井議員 強引とりたて招く


 日本共産党の吉井英勝議員は、十日の衆院行革特別委員会で、「市場化テスト(公共サービス改革)」法案をとりあげ、「社会保険料や公共料金徴収の民間開放は、クレジット業界に新たなもうけ口を提供するものだ」と批判しました。


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(写真)質問する吉井英勝議員=10日、衆院行革特別委

 法案は、国民年金保険料の徴収業務を信販会社ができる仕組みになっています。その場合、延滞者に「カードでお支払いいただけます」と勧め、カードローンで支払わせることも法案では禁止されていません。

 カードで保険料を支払えるようにする裏に、クレジット業界などの要求があります。クレジット業界はみずからを「利息による利益を上げるビジネスをベースにして経営する企業であり、延滞者に対する債権回収管理業務はビジネスの最大の柱の一つだ」としています。吉井氏は「カードで支払わせると、国や自治体の債権が民間に移ってきて、高い金利でもうけることができる。保険料の延滞者は、民間会社が債権者となってとりたてを行うことになる」と述べ、国民が高金利と、強引な取りたて圧力にさらされると指摘しました。

 今国会に提出されている地方自治法「改正」案では、国民健康保険料や公共料金もカード払いが可能になります。竹中平蔵総務相は「起こりうる事態だ」と認めました。

 さらに規制改革・民間開放推進会議は国保、介護保険料、国税のクレジットカード払いを求めています。

 吉井氏は、国民年金、国保、税金などの徴収という公務の民間開放によって「カードローンを勧めて利益を生み出し、債権回収ビジネスが生まれる。業界のねらいはここにある」と指摘しました。

 さらに吉井氏は、どの債権回収会社も九割は非正規社員だとのべ、「いくら会社と守秘義務を求める契約をしても、アルバイトや派遣で移り変わる人には守秘義務を求め得ない。徴収の催促を受ける市民のプライバシーは守れない」と批判しました。


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