2006年4月8日(土)「しんぶん赤旗」
米牛肉輸入
再開慎重派を除く?
食品安全委 専門委員再任要請で
米国産牛肉のBSE(牛海綿状脳症)危険度評価をおこなった内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会(十二人)の半数にあたる委員が辞任した問題で、同委員会が各専門委員にたいし再任要請で恣意的な対応をとっていたことが本紙への関係者の証言で七日、明らかになりました。
「辞任」した委員のほとんどは米国産牛肉の輸入再開について、政府の方針や対応に批判や慎重な意見をのべてきた人たちでした。
「七十歳の年齢制限」を理由に委員に再任されなかった山内一也東大名誉教授には辞表提出を求める通知が届いただけ。
甲斐智惠子東大医科学研究所教授は「コメントは控えたい」としながらも、「再任については追って連絡するということだったが、その後通知がなく、再任されなかったと思った」といいます。
食品安全委員会事務局は「甲斐先生とは電子メールで意向を確認した。きちんとした手続きにのっとっている」と弁明しています。
座長を務め、再任された吉川泰弘東大教授は「全員に辞表を出すよう通知が来て、辞表を出した。再任承諾書も送られていて提出した」といいます。
座長代理だった金子清俊東京医科大学教授は「通知のほか、事務局側と座長が研究室を訪ねてきて再任を要請されたが、辞退した」と語ります。