2006年3月24日(金)「しんぶん赤旗」
東京地検 告発を受理
伊藤元長官の政治資金裏金処理
不透明な流れ捜査対象に
自民党の伊藤公介元国土庁長官に献金した多額の政治資金が裏金処理されたとして、政治団体「西多摩夏冬会」の元会計責任者が、政治資金規正法違反の疑いで伊藤氏を刑事告発していた問題で、東京地検は二十三日までに告発を受理していたことが分かりました。
国会でも再三指摘されてきた不透明な資金の流れが、捜査対象となったことで、改めて同氏の責任が問われることになりました。
伊藤氏を告発していたのは、伊藤氏を支援するために東京都西多摩地区の会社社長らで結成した政治団体「西多摩夏冬会」の元会計責任者、上田政晴氏(58)。上田氏は伊藤氏の私設秘書を二十年間務めていました。
上田氏は「検察当局には厳正な捜査を望みたい。伊藤氏には事実を認めて、献金した夏冬会の会員に謝罪してほしい」と話しています。
告発状などによると、伊藤氏の資金管理団体「東京公友会」と伊藤氏が代表を務める「自民党東京都第二十三選挙区支部」は、二〇〇一―〇二年、西多摩夏冬会から合計四百二十一万円の献金を受けながら、伊藤氏は政治資金収支報告書に記載せず、東京都選挙管理委員会に虚偽の報告をさせたといいます。政治資金規正法では、虚偽記載した場合、五年以下の禁固または百万円以下の罰金が科せられます。
上田氏は、一九九七―〇二年分の献金、合計千七百六十四万円についても、伊藤氏側は収支報告書に記載していないと主張。伊藤氏側が発行した領収書の写しを告発状に添付しました。しかし〇一年以前の分は時効にあたるため告発の対象とはしませんでした。
伊藤氏側は本紙などの指摘をうけ、〇二年分の百四十六万円については「事務的なミス」として収支報告書を訂正。二月二十三日の衆院政治倫理審査会では「資料もなく、調査中」などと述べ、裏金処理を否定してきました。