2006年3月24日(金)「しんぶん赤旗」

義務教育費

財源確保に格差

井上議員 国庫負担削減を批判


 日本共産党の井上哲士議員は二十三日、参院文教科学委員会で義務教育費国庫負担金の削減を批判し、現行の二分の一補助の堅持を求めました。井上氏は、すでに一般財源化された就学援助や教材費、教員旅費が各地で削減されている事実を示し、「こうした例は義務教育費国庫負担金を削ると教育予算がどうなるかを示している」と指摘しました。

 就学援助について広島市は、所得基準を生活保護基準の一・五倍から一・三倍に引き下げ、さらに引き下げようとしています。大阪府八尾市も〇六年度に生活保護の一・二倍から一・一倍に引き下げました。名古屋市も引き下げる予定です。

 教材費や教員旅費について文科省の銭谷真美初等中等教育局長は「二〇〇四年度は基準財政需要額にたいし、教材費が72・1%、教員旅費が77・8%である」と述べ、前年よりさらに減ったことを認めました。

 井上氏は、義務教育費国庫負担金を三分の一補助に削減して住民税に税源移譲した場合、十二県が三割以上不足し、青森、鹿児島、島根、沖縄、高知の五県は四割以上不足するという独自の試算を示しました。

 井上氏は「財源確保にこんな格差が生じる。交付税措置がされるといっても、就学援助や教材費のように地方自治体の財政事情で教育予算が切り下げられる恐れがある」と追及。小坂憲次文科相は「水準が低下しないようにしっかり取り組んでいきたい」と答弁しました。


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