2006年3月8日(水)「しんぶん赤旗」
農水省、苦しい弁明
米BSE 危険隠し
本紙報道
農水省のBSE(牛海綿状脳症)技術検討会が二〇〇二年十一月に米国でBSEの危険があるという報告書をまとめながら非公開とし、米国から背骨や脳などの危険部位の輸入を継続していたという本紙報道(五日付)に、農水省が苦しい弁明に躍起となっています。
本紙が明らかにしたのは、「米国の牛海綿状脳症(BSE)ステータス評価結果について」(案)などの報告書と同省のBSE技術検討会議事録。〇二年十一月の会合で評価結果を米政府に通知し公表することを決めましたが、米政府への通知も公表もされませんでした。
中川昭一農水相は七日の閣議後の記者会見で、「一部機関紙で、危険性を報告書で把握しながら公表せずに輸入を続けていたという話がある」と聞かれ、「この作業は途中で中断したというふうに聞いている」と釈明。非公開としてきた報告書については、ふれませんでした。
石原葵事務次官も六日、同様の質問を受け、「〇二年十一月の検討会で米国の報告書案が承認されまして、報告書の英訳を進めて、米国側の了解を得た上で公表するということで準備を進めていた」と説明。報告書がまとまっていながら、非公開としていたことを認めざるをえませんでした。
同事務次官は「〇二年十一月の判断としては、特定危険部位の輸入を停止するには至らなかった」と釈明。「その後、米国でBSEが発生しているので、振り返ればもっとちゃんとしていれば良かったということになるのか」との質問に、「当時として精いっぱい」というだけでした。