2006年2月10日(金)「しんぶん赤旗」

BSE牛に肉骨粉

飼料規制前 国内感染で初確認

北海道


 北海道は九日、国内二十二頭目のBSE(牛海綿状脳症)と診断された牛(五歳四カ月で死亡)の飼料の中に肉骨粉が含まれていたと発表しました。肉骨粉はBSEの原因として疑われていますが、これまで国内感染牛の飼料からは確認されていませんでした。

 この牛は北海道根室管内別海町で飼育されていた二○○○年九月生まれの雌のホルスタイン牛で、○六年一月二十日に死亡しました。この牛に二○○○年十二月から○一年五月まで与えられた「CPサプリメント」という補助飼料の原材料中に、肉骨粉が含まれていました。飼料は札幌市の業者が販売していました。

 国は飼料安全法に基づき○一年九月から、牛に対し肉骨粉の使用を規制しており、規制の前に当たります。この牛は既に焼却処分されており、生産農場では一月二十三日から牛の移動制限が行われています。

■牛肉輸入条件緩和の提案

■食品安全委で疑問視

 BSE(牛海綿状脳症)対策として、骨なし牛肉の輸入に課せられている貿易条件から「月齢三十カ月以下」「BSE感染の疑いがなく、感染が確認されていない」などを削除する国際獣疫事務局の基準緩和案が、九日に開かれた食品安全委員会(寺田雅昭委員長)に農水省から報告されました。委員からは、「科学的根拠が不明確」「合理性を欠く」と疑問が相次ぎました。

 基準緩和案は、五月の国際獣疫事務局総会で議題としてとりあげられる予定。今月七日に開かれた農水省の専門家検討会でも「科学的根拠がない」などの批判が相次ぎ、政府として反対していく方針です。

 食品安全委員会の委員から基準緩和の科学的根拠の説明を求められたのにたいし、農水省は「十分な説明はない」「(基準緩和案の)意思決定過程はクローズド(閉鎖的・不透明)で、会議の参加(国代表)も限られている」「根拠となった科学的知見が明確でない」などと説明しました。

 貿易条件の基準緩和は、骨なし牛肉の月齢条件などの削除のほか、BSE検査の基準緩和、感染牛から生まれた子牛の処分対象の緩和など。自由貿易できる「BSEリスクが無視できる国」についても、感染牛確認から七年だったのを感染牛誕生から八年にする基準緩和が含まれています。八歳以上の感染牛が現在つぎつぎでていても、無条件貿易に道を開く内容も含んでいます。


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