2006年2月6日(月)「しんぶん赤旗」

小泉「改革」で格差拡大

塩川議員“加速にストップを”

NHK番組


 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は五日、NHK番組の「日曜討論」に出演し、今国会で焦点の一つになっている格差社会の拡大問題と小泉「構造改革」の責任について与野党議員と討論しました。

 国会答弁で小泉純一郎首相は「格差が出るのは別に悪いこととは思っていない」と開き直っています。

 塩川氏は、「国民の痛みがまったくわかっていない。一九九七年ぐらいをピークに国民の所得は連続的に減っている。サラリーマン世帯の実収入が八年間で八十七万円減るなど、懸命にがんばっても暮らしが立ちゆかないというのが国民の実感だ。この時に“格差を悪いと思っていない”というのはあまりにも国民の暮らしに目を向けていないことをはっきり示している」と、首相発言を批判しました。

 自民党の石原伸晃衆院議員は、「格差が広がっていないとはいわないが、国民は満足している」と発言。公明党の高木陽介衆院議員は「バブル崩壊で低下した企業体力を回復する政策は間違っていなかった」と小泉「構造改革」を弁護し、「非正規雇用の方がいいという価値観の変化もある」などと、雇用不安を生み出した小泉内閣の責任を国民の意識問題に転嫁しました。

 塩川氏は、「小泉『改革』そのものが貧困層を固定化、拡大している」と指摘。小泉内閣が、庶民にはこの五年間で十三兆円もの負担増を押しつける一方、大企業・高額所得者減税はそのままにしていること、労働分野では規制緩和による製造業への派遣拡大で正規雇用を減らし、非正規雇用を増やしたことをあげ、「正社員を探しても探しても見つけられないのが今の実態ではないか。若者の非正規の賃下げが大企業の高額の収益につながっている。こういうやり方を加速しているのが小泉『改革』だ」と厳しく批判しました。

 公明党の高木氏が「結果の平等ではなくチャンスの平等が大事だ」と述べたのに対し、塩川氏は「民間の調査でもフリーターの七割が正規雇用を望んでいるのに三十代になっても正社員になれないという現実を見ていない」と批判。

 競争社会でセーフティーネットを整備したという言い分について、「そもそも人が転落しなくて済むような社会こそ必要だ。そのセーフティーネットさえ、雇用保険法改悪などで大穴を開けてきたのが小泉さんではないのか」と反論しました。民主党の原口一博衆院議員は規制緩和を前提にした事後チェックが必要だとのべました。

 塩川氏は最後に、来年度予算案に盛り込まれている定率減税の廃止や、高齢者医療制度の改悪といった格差拡大を加速させる政策のストップに全力をあげ、公務員と一般の人々、高齢者とそれ以外の人々を対立させ、足の引っ張り合いをさせるようなやり方には社会連帯の立場でこたえていくと表明しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp