2006年2月6日(月)「しんぶん赤旗」
耐震偽装
一世帯4千万円負担
横浜市 建て替え案に住民抗議
姉歯建築設計事務所による耐震偽装が発覚した横浜市鶴見区のマンション「コンアルマーディオ横浜鶴見」(十階建て)の住民説明会が五日に開かれ、横浜市が提示した一世帯約四千万円を負担させる建て替え計画案や「支援」策に「被害者がなぜ費用を支払うのか」と批判・抗議が続出しました。
昨年完成したばかりの同マンションは、当初56%とされた耐震強度が41%しかないことが昨年十二月に判明、横浜市が十八世帯に退去命令を発令。ところが、横浜市の住民支援策が不十分だとしていまも住民が退去できない状態がつづいています。
説明会には十五世帯二十数人が出席し、六カ月の市営住宅(三カ月間家賃免除)の提供とあわせて、マンションを建て替えるとき「現在の広さのままだと一世帯三千九百万円の追加負担が必要だ」と支援策の試算内容を説明しました。
住民は口々に「入学をひかえている子どももいる。半年後に転校しなければならないというのでは困る」「介護しなければいけない家族をかかえたまま出ていかなければならない」と怒りをぶつけました。
横浜市側は「公正公平ということ」と釈明しましたが、試算の前提にも「もとの建物価格を九百万円も高く設定している」などの疑問もだされ、今後住民との間で柔軟に検討をつづけることになりました。
住民たちは「私たちは悪いことをしていない。現在のローンと家賃、新しい住宅ローンの三重苦は受け入れられない」と苦しい実情を訴え、支援について中田横浜市長との面談を求めました。