2006年1月28日(土)「しんぶん赤旗」
疾病範囲の拡大要求
石綿被害救済法案で吉井議員
日本共産党の吉井英勝衆院議員は二十七日の衆院予算委員会で、石綿被害救済法案について、「(アスベスト被害を防止する)対策をきちんととってこなかった国の責任がある」とのべ、被害者への補償を拡充するよう求めました。
救済法案が特定疾病を中皮腫と肺がんの二疾病に限定していることについて吉井氏は、「労災認定ではアスベストによる健康被害の五疾病に補償しているのに、新法は二疾病だけ。残りの三疾病で通院している人や亡くなった人に対して補償するのは当然だ。なぜこの制度から締め出す必要があるのか」と小池百合子環境相にただしました。
小池環境相は、「専門家が現在検討しており、必要に応じて将来、特定疾病とすることはありうる」「労災制度と新法は制度設計がちがう」などと答弁。吉井氏は「新しい法律をつくるのだから、労災で認めている五疾病を最初から救済対象に入れるべき」「周辺住民の給付についても労災保険と同水準にするべきだ」とのべ、「現実に被害者がいるのだから制度上の差別をつくらないのが当然だ」と救済範囲の拡大を迫りました。
また、戦前、国策として軍需工場にアスベスト製品を作らせてきたことにふれ、「国が政策的にアスベスト産業を進めてきている。国に大きな責任がある。対策をとらなかった不作為の責任がある」とのべました。