2006年1月24日(火)「しんぶん赤旗」
BSE危険部位混入問題
米日政府に抗議の声
消費者団体など緊急集会
米国産牛肉の輸入再開がわずか一カ月でストップした問題で、食の安全・監視市民委員会ら消費者団体らが二十三日、東京・千代田区の衆院議員会館で緊急集会を開き、「デタラメ米国産牛肉輸入再開を糾弾する」との決議を採択、食の安全をないがしろにしたとして自民・公明政府に抗議の声をあげました。
同集会は、今月二十日に米国から輸入された牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の危険部位(せき柱)が混入していることが成田空港の検疫所で発見されたことをうけて開かれたもの。米国への怒りと、国民の反対の声を踏みにじって輸入再開した政府の責任を問いただしました。
集会決議は「(輸入条件が)守られればという仮定は、もろくも崩れた。輸入再開を拙速に決定した厚生労働省・農水省の責任を問いただす」と指摘し、輸入停止をつづけることや、すでに輸入した米国産牛肉の回収などを提起。食の安全・監視市民委員会の神山美智子代表は、米国の検査官が日本向け輸出品は危険部位を除去することさえ知らないようなずさんさでは「安心できるどころではない」と指摘し、輸入再開が間違っていると強調しました。
厚生労働省輸入食品安全対策室、農水省国際衛生対策室、食品安全委員会事務局ら政府担当者が、米国産牛肉の危険部位混入を確認した経過を説明。
参加者からは、「一企業の違法行為ではすまない」「米政府発行の証明書をこれからも信用するのか」「(輸入再開の)日本の責任をどう考えているのか」「査察でみてきたから安心しろといわんばかりに、政府が消費者に説明した報告会の直後だけに、ほんとに腹立たしい」などとアメリカ政府の政治的圧力に屈して輸入再開した政府への批判が続出しました。