2006年1月17日(火)「しんぶん赤旗」
BSE対策
査察結果に疑問続出
米国産牛肉輸入再開で
農水・厚生労働両省は十六日、米国・カナダ両国の日本向け牛肉処理施設のBSE(牛海綿状脳症)対策について査察した結果を、消費者に説明する会を東京・港区内で開きました。危険部位除去の方法や二十カ月以下という月齢判定、査察施設の選定などについて消費者から疑問や不安の声が相次ぎました。
査察したのは、米国内で日本向け輸出が認められた三十九施設のうちの十一施設とカナダの四施設。生後二十カ月以下の月齢確認、BSE危険部位の除去、飼料規制などについて、証明書類状況などのサンプルをスライドで示して概要を報告しました。
参加者からは、査察施設ごとの結果公表を求める声が続出。農水省は、個別企業の施設の査察結果は公表できないとして、査察した施設名さえ明らかにしませんでした。
このほか、「違反があった場合、日本に輸出された牛肉の証明書取り消しや、回収に日米間に取り決めがあるか」という会場からの質問にも、農水省は「取り決めはない」として、あくまで米国を信頼するという姿勢を強調。査察が終わっていない施設からでも、日本に輸出できると説明しました。
参加者からは、月齢判定の信頼性や、危険部位除去、米国内の牛肉処理施設の少ない検査官などのBSE対策・体制・実効性についての疑問が次つぎ出されました。