2006年1月9日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

わたしの“平和”伝えたい

ピースサイクロン in 品川


 まわりの人たちを平和の流れに巻き込んでいこう――。昨年のクリスマスの日、「ピースサイクロン2005 in 品川」(ピースウオーク)を開いた東京・品川区の青年たち。2006年を迎え、「憲法九条を守ろう」「核兵器をなくそう」の平和への思いを新たにしています。(伊藤悠希)


■高校生も社会人も力合わせ

■プラカードでラップ♪でアピール

 昨年十二月二十五日、JR大井町駅周辺で行ったピースウオークには、約六十人が参加。実行委員会には、日本民主青年同盟品川地区委員会、品川高校生平和ゼミナール、立正大学九条の会、へいわの輪実行委員会などが加わっています。

 ピースウオーク出発前の交流会では、呼びかけに応じた各団体の代表が「品川から平和の流れをつくっていきたい」「自分から声をあげていきたい」「憲法九条を守るたたかいをしたい」などと発言。「私たちの未来に戦争はいらない いまこそ憲法九条を輝かせよう!」のアピールを採択しました。

 ピースウオークでは、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」などの曲に手作りシュプレヒコール。ラップ調に「ヘイワ」を連呼する男性や「ラブラブ平和」「大嫌い戦争」という女性。「平和」とだれかが叫ぶと、「ホイ」「オイ」などと応える場面もありました。

 参加者の手には、「九条を守ろう」などのメッセージを書いたプラカード。クリスマスリースやサンタクロースの絵柄を張りつけたものもあります。

 ピースウオーク参加者の中に友人をみつけた会田ゼイさん(24)は「今度やるときがあれば参加したい」と話します。

 実行委員会に参加した団体や会はこれまで、さまざまな平和活動をしてきました。高校生平和ゼミナールでは歴史教科書問題や原子力空母などについて学習会を開きました。品川区職員労働組合では、核兵器廃絶を求める署名運動や五月にニューヨークで行われたNPT(核不拡散条約)再検討会議への参加運動などに取り組みました。

 〇六年のピースサイクロンまでには品川区の多くの青年に呼びかけ、より大きな平和の波をつくっていきたいと考えています。

■気軽に参加してもらえるものに

 ピースサイクロンの実行委員長・高岡徹さん(22)=仮名=

 ピースサイクロンに向けては、お互いに呼びかけ合おう、手をつなぎ合おうと労働組合や地域、大学の平和サークルなどに訴えました。この行動を自分たちが平和について学び得たものを広める場にしたい。そのためには、まず自分たちが楽しめて、気軽に参加してもらえるように工夫しました。苦労もありましたが、やればできるんだと実感がわきました。

 昨年の原水爆禁止世界大会に参加して、平和の大切さを肌で感じました。平和とはだれもが自分らしくいられることです。音楽でもいいし、プラカードでも何でもいい、自分なりのやり方で声をあげることが平和を実現する力になります。

 今年も原水禁大会など一つひとつの平和活動に真剣に取り組みながら、十二月のピースサイクロンにつなげていきたい。品川の多くの青年にピースサイクロンの名前を知ってもらえたらいいです。平和を思う人が自分から何かやっていけば、まわりにもその思いは伝えられると思います。

■平和は自然にはやってこない

 ピースサイクロンで司会を務めた品川区職員労働組合書記の紀川明慶さん(27)

 ピースサイクロンには〇四年も司会として参加しました。今回参加しようと思ったのは、品川から平和の声をあげたいと思ったからです。年末のピースサイクロンは恒例になっているんですが、今なぜやるのか、今回実行委員の中で話し合いました。その中で平和は自然にはやってこない、小さくても声を出していかなければ何も変わらないことを確認しました。ピースサイクロンを成功させたいというモチベーションがあがったんです。

 呼びかけることが大事だと声かけもすると、初めて誘った人から励ましの返事がきてうれしかったです。偶然パレード中に友達に会って、こんなことやってるんだって話すこともできました。今年は品川区の青年職員を連れて参加したいです。

 自治体関係で働いているので、区で平和団体へ補助金を出すとか、被爆者への補助金を増やすなどの対区交渉を今年中にやりたいです。

■かかわるのは一人ひとりです

 品川高校生平和ゼミナールの飯田美聡さん(17)=仮名=

 私が高校生平和ゼミナールの活動を続けているのは昨年の原水爆禁止世界大会に参加したことが大きいです。そこで、被爆者は明日も生きてるかどうかわからないという不安を抱えながら生きているということを聞き、事実を見つめなきゃいけない、もっと知らなきゃいけないと思いました。そして、知ったことを伝えたい。もっと知って、多くの人に話したいと思うようになりました。私が話したらみんな考え方が変わると思うんです。

 自分が変わりました。今まで社会のことについて興味がなかったんですが、憲法九条にしてもかかわってくるのは一人ひとりなんです。自分に引きつけて考えられるようになったのは、自分でもすごいと思います。

 政治って自分たちにかかわってるんだよって話すようになりました。反応してくれる人がいるのでうれしくなります。

 今年は平ゼミで世話人として活動できたらと思います。


■お悩みHunter

■3年の「家事見習い」就職できるのか不安

Q 両親の体調が思わしくなかったため、三年ほど「家事見習」の身分でしたが、来年三月から働きに出られる状況になりました。この間、医療事務の資格もとりました。会社回りをしなければならないのですが、就職が厳しいおり、不安で不安で…。自信がありません。年齢も二十九歳なので、うまくいくでしょうか。(女性、福岡県)

■いまの自分に自信を持って

A 会社を辞め、両親を支えて三年。私など、そう聞いただけで「すごいなあ」と感動です。そんなあなたを「家事見習」に分類するとは、お役所もずいぶん的はずれ。失礼な話です。

 この間に、医療事務の資格も取ったとのこと。両親への献身的な努力だけでなく、先を見すえた計画的で堅実なスキルアップ戦略には頭が下がります。

 確かに、今日は就職難です。医療現場も例外ではありません。ですから、あなたの不安も痛いほどわかります。しかし、あなたはこの三年間で資格だけでなく、なによりも精神面において、他の追随を許さぬ得難い力を身につけたと思います。

 両親のために、思い切って会社を辞めた事実だけ見ても、この「不安時代」だからこそ、大変な勇気を要したことでしょう。その後も、孤独や将来への不安感と一人でたたかいながらも、職場復帰に備えて新たなスキルの獲得に力を注ぐ。これらの苦労を通して、あなたは人への愛と献身性、忍耐力や問題解決能力、そして、何よりも強い意志と勇気をはぐくんだのです。

 いかに不況時代とはいえ、これらの資質を兼ね備えた優れた人材を、社会が気付かぬはずがありません。“就職難”という一般的な「社会現象」に拘泥されず、現在の自分にとことん自信を持ってください。そうすれば、必ず道は切りひらかれます。応援しています。


■教育評論家 尾木 直樹さん

 法政大学キャリアデザイン学部教授。中高二十二年間の教員経験を生かし、調査研究、全国での講演活動等に取り組む。著書多数。


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