2006年1月9日(月)「しんぶん赤旗」
「九条の会」4000上回る
草の根で次つぎ結成
半年で2倍に
京都3地域で 小学校数を超える
大江健三郎さん(作家)、加藤周一さん(評論家)ら著名な知識人・文化人が“憲法九条いまこそ旬、改憲阻止を”と結成した「九条の会」のアピールにこたえ、草の根での「会」の結成が相次いでいます。地域・分野別の「九条の会」は、全国で四千を突破したことが八日までに明らかになりました。
「九条の会」は二〇〇四年六月、大江、加藤両氏や井上ひさし(劇作家)、梅原猛(哲学者)、奥平康弘(憲法研究者)、小田実(作家)、澤地久枝(同)、鶴見俊輔(評論家)、三木睦子(三木武夫記念館館長)の各氏の九人で結成。憲法九条「改正」の動きに警鐘を鳴らし、「改憲」の企てを阻むための一人ひとりの努力を呼びかけたアピールを発表しました。このアピールに賛同して各地、各界に「会」がつくられ、一年で二千を超えました。その後も増えつづけ、職場や地域、学園などさまざまな分野に及んでいます。国民の過半数の結集をめざして、創意に満ちた活動をし、多彩な人々が参加する運動として発展しています。
「九条の会」事務局によると、地域・分野別の結成状況は現在、全国で四千七十九。大阪府の三百五十二がトップで、東京都三百三十五、北海道三百十五、京都府三百二と続きます。
とくに京都府は、網の目のように「会」ができはじめています。京都市は「会」の数が小学校区を上回る地域が増え、右京区では三十一(小学校四十二)、左京区二十八(同二十三)、中京区十五(同十)となっています。
北海道では、ほぼ全域で「会」を結成。小樽市では商業高校、ろう学校を含むほとんどの高校に「会」ができています。
東京都では、官庁や大企業本社が集中する都心の千代田区で職場の「会」が広がっています。大阪府では地域に加え、職場での「会」結成が目立ち、高校や小学校、商社にもあります。
九条の会事務局には、結成したばかりの「会」や、これから結成したいという人たちから、メッセージが寄せられています。
三重県津市(旧一志町)在住者は「(九条の会の)リーフレット千部、一部残らず配布を目標とします。今やらずしていつ?の思い。…ガンバロウ」と便りを寄せています。千葉市花見川区の「西小中台九条の会」のメンバーは、昨年十一月に「映画 日本国憲法」(ジャン・ユンカーマン監督)の上映会をしたことを紹介。「次回は『有明』のビデオ上映します」とのべています。
東京・足立区で「青年の九条の会」を結成した実行委員は「ジャーナリストの郡山総一郎さんを講師にした学習講演会を三百人を集め大成功! 今年も護憲への取り組みに奮闘します」と記しています。「瑞穂区内の小学校十一カ所で九日の成人式“門前おめでとうチラシ”と一緒に配る予定」(名古屋市瑞穂区)、「カナダ・バンクーバーの会に入っていますが、住んでいるビクトリアではまだですので、会が早く作れるよう(「会」の)リーフレットを活用させていただきます」などの便りも寄せられています。
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