2006年1月5日(木)「しんぶん赤旗」
首相年頭会見
靖国問題で批判認めず
中韓の対応「理解できぬ」
小泉純一郎首相は四日、首相官邸で年頭記者会見を行い、自身の靖国神社参拝について「靖国参拝をしたら交渉に応じないということは、これはもう外交問題にならない」と中国、韓国両政府を批判。「一つの問題があるから中国側、韓国側が会談の道を閉ざすことがあってはならない。あとは先方がどう判断するかだ」とのべ、首脳会談が途絶えている責任が中韓両国にあるとの認識を示しました。(2、3面に関連記事)
首相は靖国参拝について「日本人からおかしいとか、いけないとかいう批判は理解できない。まして外国の政府が心の問題に対しけしからんということが理解できない」と侵略戦争美化の拠点となっている靖国神社への参拝を「心の問題」にすりかえました。
首相は昨年十一月の日米首脳会談で「日米同盟がしっかりしたものであればあるほど、各国との協力関係もうまくいく」と発言したことを繰り返し、日米安保条約を結ぶ米国との関係が「他の国との関係よりも特別重い意味を持つ」とした上で、アジア諸国や各国との協力関係を進めるとのべ、日米同盟を最優先させる姿勢を強調しました。
九月の自民党総裁選に向けた「ポスト小泉」候補について首相は「いままで国民の人気や支持よりも、国会議員のなかでのバランスに配慮して選ぶべきだという声もあったが、両方大事な時代になった」と答え、派閥などの党内基盤と同時に国民世論を重視すべきとの姿勢を示しました。
民主党との関係については「安全保障、憲法改正問題、『改革』促進など自民党と似ているところもあり、民主党が自民党と協力できる分野はある。その際には協力していただければありがたい」と秋波を送りました。