2005年12月28日(水)「しんぶん赤旗」
米軍がTV局に金銭
イラク 都合よい報道へ“検閲”も
米紙報道
【ワシントン=鎌塚由美】米紙ワシントン・ポスト二十六日付は、イラク駐留米軍が、米軍の活動に好意的な報道をさせようと地元テレビ局の番組に毎週六百ドル(約七万円)を渡したほか、テレビ局に施設建設費三十万ドル(約三千五百万円)、設備購入費三万五千ドルを供与していると報じました。
同紙が、米軍報道当局者の話として伝えたもの。米軍の「情報戦争」の一つとして紹介しました。先月には、イラク駐留米軍が地元紙に報酬を支払い、米軍に都合のいい記事を掲載させていた問題が発覚しています。
同紙によると、米軍は三都市のテレビ局に金銭を供与してきたといいますが、都市名やテレビ局は明らかにされていません。
米軍の地元指揮官は、テレビ局に報道内容を「提案」し、週に一度、放送前に番組を点検することは認めていますが、金銭の支払いは否定しているといいます。一方、地元のテレビ局製作者は「米軍の肯定的な側面」を描いていることを認め、職員が月一千ドルを供与されていると証言しています。
同紙はさらに、米軍がウェブログ(日記形式のホームページ)を利用して「情報戦争」を進めていることも紹介しています。米国のマスコミの報道に「失望」した米軍は、元米兵などを前線に送り込み、ウェブログに投稿させているといいます。
ブロガー(ウェブログに書き込む人)のなかには、ネオコンの牙城といわれるシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所に所属している人もいるといいます。