2005年12月17日(土)「しんぶん赤旗」
米牛肉第1便 成田に
検疫書類に疑問、一時保留
厚生労働省と農水省は十六日、米国産牛肉四・六トンが第一便として成田空港にスピード輸入されたことを公表しました。BSE(牛海綿状脳症)で輸入禁止となった二〇〇三年以来二年ぶり。しかし、成田空港検疫所・動物検疫所成田支所の検疫で、書類の記載内容に疑問がでたとして、証明書の発行が一時保留される事態に。十二日の米国産牛肉輸入解禁からわずか四日後の輸入につまずきがでた格好になりました。
同日到着したのは、丸大食品が、米国カリフォルニア州最大手の食肉処理会社ハリス・ランチ・ビーフ社から輸入した牛肉四・三トンとタン・横隔膜など〇・三トン(処理施設番号783)。
成田支所によると、同日午後一時に検査を実施。米政府の発行した証明書の内容と、表示を照合し、輸入条件が順守されているかどうかを目視検査しました。その結果、「肉眼でみた肉の検査では問題はなかったが、米国の書類の記載内容に確認しなければならないことがあり、すぐに輸入証明書の発行ができなかった」と説明します。
輸入時の検査では、脳や脊髄(せきずい)など危険部位に多く含まれるたんぱく質の検出などは実施されません。
丸大食品によると、到着した牛肉は、出生時期がはっきりしているホルスタイン種の雄。サンプルとして輸入したもので加工食品や生肉として販売する予定はないとしています。
日本ハムも同日、米テキサス州の食肉処理会社からロースなど米国産牛肉約百キログラムを十八日にサンプル輸入すると公表しました。同社は「社内での確認用で、販売するものではない」と説明しています。