2005年12月13日(火)「しんぶん赤旗」

「安心段階ではない」

牛丼チェーン店などが指摘

米牛肉輸入再開


 政府の米国産牛肉輸入再開決定をめぐって消費者などから不安や批判の声があがっています。

 大手牛丼チェーン店「すき家」を経営するゼンショーは十二日、「消費者に『安心して食べてください』といえる段階ではない」というコメントを発表。コメントでは、独自に現地調査した結果をもとに「危険部位の完全除去について、残念ながら現状では、安心して提供できる段階でないと判断した」と指摘。危険部位を肉骨粉にしている米国の飼料規制が不十分、BSE全頭検査をしなければリスクは排除できないなどとしています。

 輸入牛肉の原産地表示でも、業界や商品によって対応がばらばらで、新たな不安材料になっています。スーパーなど小売店は生鮮肉の原産地表示が義務付けられ、罰則も強化されています。ところが、味付けカルビなどの生肉などは、昨年九月から原産地表示の対象に加わったものの、義務化されるのは来年秋から。調理ずみの牛肉ハンバーグなどはいぜん対象外で、米国産を使っても表示義務はないままです。外食産業には表示義務はまったくなく、業界まかせというのが実情です。

 食品安全委員会の意見交換会などでも、「牛肉を輸入再開するなら表示も義務化すべきだ」という意見が相次ぎましたが、政府は業界まかせのまま、再開を決定しました。

 BSE市民ネットワークの高谷順子代表は「日本は危険部位を焼却処分していますが、米国はそうじゃない。米国は特定危険部位の取り除き方もずさん。日本人のほとんどが発症しやすい遺伝子型を持っているのですから、BSE対策がずさんな米国の牛肉輸入再開決定は許せない」と批判しています。


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