2005年11月22日(火)「しんぶん赤旗」
大学入学料
国立が私立上回る
04年度初逆転 さらに値上げ狙う
国立大学の学費値上げが続いた結果、入学料は私立大より国立大の方が高いという逆転現象が起きています。来年度の予算編成を前に、「入学料の値上げは断固反対だ」(相沢益男・国立大学協会会長)など、大学関係者から批判の声があがっています。
入学料は二〇〇四年度国立大二十八万二千円に対して、私立大二十七万九千八百円(平均、以下同じ)で、初めて国立の方が高くなりました(グラフ参照)。七五年度には国立五万円に対し、私立九万五千六百円で二倍の格差がありました。ここにきて入学料が逆転したのには、十八歳人口が減少するなかで私立大学の入学料が五年連続で下がったことも影響しています。
私立大を上回ったにもかかわらず、財務省は来年度予算で国立大入学料標準額を値上げする意向です。その理由として私立大の施設設備費約二十万円と合わせれば、国立大入学料はまだ安いと主張しています。しかし、文部科学省が「国立大学の施設は国の財産であり、費用を学生から徴収する筋合いのものではない」と認めるとおり、私立大の施設設備費を持ち出す財務省の論理は通用しません。
授業料についてみれば、七五年度に国立三万六千円、私立十八万二千七百円で五倍以上の開きがありましたが、〇四年度には国立五十二万八百円に対して私立八十一万八千円と一・六倍に差が縮まっています。