2005年10月20日(木)「しんぶん赤旗」
同盟強化論を主張
「自衛隊も日米同盟も重要」
党首討論で民主・前原氏
民主党の前原誠司代表は十九日の「党首討論」で、小泉純一郎首相を相手に外交問題で質問。持ち時間の大半を日米同盟強化論の展開に費やし、露骨なアメリカの代弁者ぶりを見せつけました。
冒頭から「日本外交の基軸は日米同盟」と強調した前原氏は、日米安保条約をアジア太平洋地域に拡大し、「日本防衛」の建前を投げ捨てた一九九六年の安保共同宣言から「(日米同盟は)アジア太平洋地域の安定のための公共財」という言葉を引用して、「この一言に尽きている」と持ち上げました。
■中国をにらみ
「中国が敵対国家とは思っていない」としつつ「中国が日米両国の分断をはかっているふしがある」と発言。「中国をどうみるかは、五十年先の日米同盟を考える上でポイントだ」として中国をにらんでのいっそうの日米同盟強化論を展開しました。
■早期再編促す
さらに「二大政党制の党首討論で、私はむかしの五五年体制のイデオロギー論争をするつもりはない。自衛隊も必要だし、日米同盟も重要だ」「日本外交に欠けているのは戦略性と主体性だ」と強調しました。
前原氏は、在日米軍の再編問題をとりあげ、「結論が遅れている」「アメリカ側は非常にフラストレーション(不満)を感じている」と早期の再編実現を要求。
とくに沖縄について、海上基地建設を決めたSACO(日米特別行動委員会)合意をとりあげ「普天間の問題は九年前のSACO合意が履行されていないことに端を発している」とのべ、普天間問題の「解決」を迫りました。ブッシュ米大統領が来日する前にとりまとめる中間報告に、具体的に地名も入れて、地元との折衝も含め小泉首相が「責任をとる」よう求めました。
さらに前原氏は、東アジア首脳会議について、「アメリカを除外するのはゆがんだ形になる。日米同盟関係がアジア太平洋地域の公共財としてバックにあるなら、アメリカが入るべきだ」とのべ、アメリカの正式参加を求めるべきだったという立場から、オブザーバー参加を求めた日本政府の対応を批判しました。
■米の関与要求
さらには、イラク戦争への小泉政権の対応を批判するなかで、「情報をアメリカに依存している。これはひどい状況だ」とのべ、外務省、警察、公安調査庁などの情報が共有されず政策立案に役立っていないと批判。「ヒューミント、人間による情報収集能力も持つべきだ」として、“スパイ”養成につながりかねない発言までとびだしました。