2005年9月19日(月)「しんぶん赤旗」

義務教育費国庫負担金の存廃

中教審部会が来月答申へ

共産党は存続主張


 地方税財政の「三位一体改革」の焦点になっている義務教育費国庫負担金の存廃について、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)義務教育特別部会は、十月末をめどに最終答申を出す予定です。六月の中間答申では意見の対立が埋まらないため両論併記となりましたが、最終答申がどうなるか注目されます。

 これまでの審議では、廃止して地方に税源移譲を求める地方代表の委員に対して、教育学者など委員の多数は、教育費以外に使う自治体もでてきて教育の地域格差が広がるという懸念を示し、国庫負担制度の存続を求めています。

 こうした批判に対して、九日、全国市長会は廃止後の教育水準を担保するための提言を同特別部会に提出。提言は教職員の都道府県別定数と、地方交付税などを通じた財源措置を法律に明記するように求めています。

 来年度予算編成を前に文科省と総務省の綱引きも活発化。八月の概算要求では、文科省が負担金存続を前提とした予算を要求したのに対し、総務省は廃止を前提にした要求をしました。

 中教審で少数派の地方側は、「国と地方の協議の場」で結論を出すように求めており、最終答申は両論併記のまま国と地方の政治決着に持ち込まれる可能性もあります。

 義務教育費国庫負担金は、小中学校の教職員の給与の半分を国が負担するもので、現在二・五兆円。全国知事会など地方六団体は、国から地方へ三兆円の税源移譲を実現するために、廃止する補助金の一つにあげています。昨年十一月の政府・与党合意で今年の秋までに中教審で結論を得ることになっています。日本共産党は、教育予算の削減につながるおそれがあるとして廃止に反対しています。


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