2005年7月27日(水)「しんぶん赤旗」
障害者「自立支援」法案の趣旨説明
参院委審議で初の手話通訳 共産党尽力
参院で初めて委員会の審議に聴覚障害者のための手話通訳者が置かれました。障害者「自立支援」法案の趣旨説明を行った二十六日の参院厚生労働委員会です。
衆院では、一九八八年に議院運営委員会理事会で手話通訳者を配置する規定を決定。しかし、参院では、障害者団体が「自立支援」法案の審議に手話通訳を求めたことで初めて規定がないことが分かりました。
障害者団体から要請を受けて日本共産党の小池晃議員が、参院厚労委理事会に、紙智子議員が参院議運委員長にそれぞれ実施を申し入れ、二十二日には、厚労委として本会議と委員会での手話通訳の配置などの実施を議運委員長に求めていました。
この日の委員会は趣旨説明のみで、およそ十分。四人の聴覚障害者が手話通訳を利用しました。しかし、「(説明の)話し方が早く、必死で通訳者の手を見つめた。長時間になる本格的な審議になると内容についていけないかも」(難聴の女性)といった声が上がるなど、政府側の説明が早口で行われる国会特有の問題も改めて浮き彫りになっています。
全日本聾唖連盟本部事務所長で言語学博士の大杉豊さんは「国会での審議を知るのは国民の基本的権利。国会でも手話や字幕を常設すれば障害のある人が議員になる道も開かれる」と国会のバリアフリーの遅れを指摘します。
参院では法案の実質的審議がはじまる二十八日に向けて、車いすでも委員会を傍聴できるようにスロープを設置しました。関係者からは「傾斜が急で、補助がついてもかなり大変」との声も出ています。(直)