2005年7月23日(土)「しんぶん赤旗」
憲法9条は人類史的意義もつ
きょう開幕のパグウオッシュ会議へ
科学者236人がメッセージ
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広島で二十三日から始まるパグウオッシュ会議に、二百人をこえる日本の科学者らが、憲法九条の人類史的意義をアピールする連名メッセージを二十二日送りました。
このメッセージは、田中正、加藤利三の両京都大名誉教授、高木修二・大阪大名誉教授が呼びかけたもの。京都大の尾池和夫総長や同基礎物理学研究所の九後太一所長、立命館大国際関係学部の安斎育郎教授ら二百三十六人が賛同しています。
メッセージでは、憲法九条について「核時代のさまざまな脅威を超えて、もはや国ごとの軍備を必要としない真に平和、かつ公正な世界システムをこの地球上に実現する布石」と強調。憲法九条が存続の危機にひんしている今日、ラッセル・アインシュタイン宣言とともに人類史的な意義をもつことを同会議の名前で評価し、世界に表明するよう求めています。
二十二日に京都大学内で会見した田中、加藤の両氏は、同宣言を発した一人、故湯川秀樹氏と同じ京大物理の研究者。湯川氏が世界連邦の提唱など平和のために行動したことと、戦力不保持を定めた憲法九条には、核廃絶後の世界のビジョンになる共通点を強調。賛同の呼びかけに電子メールなどを介して、若い学者・研究者はじめ、予想をこえて賛同が広がった驚きと確信などを語りました。
▼パグウオッシュ会議 一九五七年七月、ラッセル・アインシュタイン宣言の呼びかけにこたえて世界十カ国から二十二人の科学者がカナダの漁村パグウオッシュに集まったのがはじまり。今年の五十五回目のパグウオッシュ会議には世界中から集まった科学者ら二百人が参加。核廃絶や科学と戦争の関係を討議します。