2005年7月16日(土)「しんぶん赤旗」

「自立支援」法案 衆院で可決

日本共産党は反対


 十五日の衆院本会議で障害者「自立支援」法案が一部「修正」のうえ、自民・公明の賛成多数で可決し参院に送付されました。日本共産党、民主党、社民党は反対しました。

 同法案は、身体、知的、精神の障害者にたいする現行福祉サービスの「一元化」をかかげ、サービスの利用方法や負担のあり方を抜本的に変更するもの。障害を持つ子どもや、精神通院にたいする医療への公費負担医療制度(法案では自立支援医療)を含めて、サービスを利用した障害者に一割負担を求める「応益負担」を導入します。厚労省は負担上限をもうけて配慮したと主張していますが、所得に応じた「応能負担」としている現行の支援費制度に比べ大幅な負担増となります。

 また、法案の重要な部分が国会での審議が必要のない政省令に委ねられており、具体的中身は今後の検討で明らかにされます。このため「自立支援」法案の成立を許さない障害者の運動が全国に広がり、委員会採決前の五日には一万一千人の障害者や家族が集まり、国会へデモ行進しました。

 与党提案の「修正」は、「自立支援医療」の実施期日を今年十月から来年一月に延期するなど、若干の手直しをもりこんだだけです。

■福祉破壊の大悪法/志位委員長 参院で廃案めざす

 日本共産党の志位和夫委員長は十五日、国会内で記者会見し、障害者「自立支援」法案の衆院通過について問われ、「福祉破壊の大悪法だ。これまでの能力に応じた負担体系を、応益負担、定率一割負担におきかえることが一番の問題だ。障害の重い人ほど負担が重くなる」と強く抗議しました。

 志位氏は「これまで、社会保障のさまざまな改悪が、年金、介護、医療分野でやられてきたが、とうとう障害者の分野まで福祉破壊の法案が通されるというのは異常だ」と批判。「障害者団体はじめ、国民から広く怒りの運動が起こっている。院外のたたかいと力を合わせ、参院で廃案に追い込むためにがんばりたい」とのべました。


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