2005年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
障害の認定基準不明確
山口議員 「自立支援」法案を批判
衆院厚生労働委員会で一日、障害者「自立支援」法案の審議が再開されました。日本共産党の山口富男議員は、障害者福祉の分野に新しく導入される「障害程度区分」の認定のしくみが明確になっていない問題を追及。「法案の出発点なのに、それさえ示していない。イメージだけで審議を求めるのは乱暴だ」と指摘しました。
厚生労働省は現在、介護保険の要介護認定の基準を活用して、障害者福祉サービスの必要度を判定するしくみを開発している最中です。認定の結果によっては、サービスの対象外となる人も出てきます。
山口氏は、介護保険の認定基準を準用したモデル審査会の結果をみると、一次判定(コンピューター判定)の結果が二次判定(専門家による審査会判定)で変更された事例が知的障害者で48%、精神障害者で44%にのぼったことを指摘。介護保険の29%に比べても変更が多く、「一次判定が信頼に足りないということではないか」とただしました。
厚労省の塩田幸雄障害保健福祉部長は「障害者にふさわしい基準ではない」と認め、「本格的な施行の際には障害者にふさわしい基準にするとともに、中長期的には障害者独自の基準をつくるべく取り組んでいきたい」と答えました。
山口氏は「中長期的な課題ではなく、法案の実施にあたっての前提だ」と指摘。少なくとも厚労省が五月から七月まで実施するモデル事業の結果を分析し、「多様な障害の特性を適切に認定できる基準をしっかりつくりあげたあとで法案を審議するのが当然の姿だ」と迫りました。尾辻秀久厚労相は「問題はない」などと繰り返し、法案強行の姿勢が浮き彫りになりました。