2005年6月23日(木)「しんぶん赤旗」
「自立支援」法案
負担軽減措置範囲に批判
検討会で医療専門家
国会で審議中の障害者「自立支援」法案の中身の一つである「自立支援医療制度」の調査検討会が二十二日、厚生労働省で開かれました。精神医療の専門家など九人が出席し、厚労省に意見を述べました。
「自立支援」法案では、精神障害者の通院医療費公費負担制度の改悪が狙われています。就職に困難を抱えている精神障害者の実態をふまえ、現行は医療費の負担を一律5%としています。
これを「自立支援医療」では10%の負担に引き上げようとしています。さらに一定所得以上では、30%負担に跳ね上がります。
意見が集中したのが、医療費の負担軽減措置となる「重度かつ継続的に医療負担が生じるもの」の対象の範囲です。厚労省の案では、統合失調症、狭義のそううつ病、難治性てんかんの三つに限られています。
参加者からは「三つの疾患にしぼる根拠があるのか。臨床の現場ではこの三つ以外にも継続的な治療が必要なケースがある」(樋口輝彦・国立精神・神経センター武蔵病院院長)、「なんでこの三つを抽出したのかわからない。ほとんどの疾患が対象になる気がする」(花井忠雄・社団法人日本精神科病院協会常務理事)など、負担軽減措置の範囲を三つにしぼった厚労省への不満が相次ぎました。