2005年6月16日(木)「しんぶん赤旗」

私立高校の授業料滞納者

1校に8人

親の失職など理由


 全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は十四日、「二〇〇四年度経済的理由による退学・滞納状況調査」の結果を発表しました。私立高校の授業料滞納者数は一校あたり約八人となり、退学せざるをえない生徒が出ていることがわかりました。

 調査は、二〇〇五年三月末現在の状況を調べたもので、二十七都道府県の百七十五高校、十四万七千人余の生徒の実態を反映しています。

 調査によると、一カ月以上の滞納者は千三百八十五人。一校あたり七・九一人で、全生徒数の0・94%でした。高校別にみると、滞納者なしの学校から滞納者百人以上の学校まで大きな幅がありました。

 経済的理由で退学あるいは除籍になった生徒は二百七十九人で、一校あたり一・五九人、全生徒数の0・19%。滞納者への救済措置として、「仮進級」「進級猶予」が三十三校二百五十二人、卒業時の「卒業証書預かり」「納入猶予・延納」が二十八校六十九人となりました。

 経済的理由で修学旅行に行けなかった生徒は、三十九校三百九人。授業料滞納が大きく影響し、「滞納だったため行くことが許可されなかった」「修学旅行積立金を授業料に振り替えた」というケースも出ています。

 滞納・退学者の家庭の事情(自由記述)は大きく分けて三つ。自営業の不振や倒産、親のリストラ・解雇・失職、母子・父子家庭―です。「父親の会社倒産、蒸発」(兵庫県)、「両親のリストラ、会社の倒産などにより四人退学」(愛知県)との報告がありました。

 全国私教連は、調査結果を受け、各都道府県の授業料補助制度の充実、奨学金制度の拡充、私学助成の増額といった緊急要求をあげています。


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