2005年6月10日(金)「しんぶん赤旗」
「九条の会」発足1年
各地・分野の「会」2000超す
「世界に誇る日本国憲法を守り、発展させよう」。憲法改悪の動きがかつてなく強まるもと、日本の知性と良心を代表する作家や学者、評論家ら九氏が呼びかけ人になって「九条の会」が発足してから、十日で一周年を迎えます。発足にあたって発表した「一人ひとりができる、あらゆる努力を」と訴えたアピールに多くの市民が応じ、次つぎと「会」を結成しています。
全国に「会」がつくられていますが、とくに今年に入ってから急増し、二千七(五月末日)となっています。
北海道(百三十六)や青森(百三)、東京(百三十一)、神奈川(百四十)、長野(百六十五)、愛知(百九)、大阪(百五十三)、京都(百五十三)は三ケタを超えます。
それも医療人、映画人、科学者、詩人、歌人、俳人、スポーツ、マスコミ、女性、宗教者、農林水産など、各分野に及んでいます。
大阪では、人間国宝の桂米朝さん(落語)、吉田玉男さん(文楽)や藤本義一さん(作家)ら十四人の呼びかけで「九条の会・おおさか」が結成されています。各国の新聞に日本国憲法を掲載することを目的にした「のせる九条の会」(神奈川)などユニークな「会」も生まれています。
新学期が始まった今年四月以降、大学生の「九条の会」が相次ぎ、現在までに四十四(準備会を含む)にのぼっています。東京大学では五月二十九日に「憲法講演会」を開催。「百五十人くらい集まれば万歳」(準備した院生=二十三歳)という当初の予想を大きく超え、三百人が集まりました。
「九条の会」は一周年にあたり、七月三十日(土)に東京・有明コロシアム(一万人収容)で講演会を開きます。
「九条の会」呼びかけ人
井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の九氏