2005年6月8日(水)「しんぶん赤旗」
知的障害者の月収
3万円以下が過半数
政府の05年版「白書」
政府は七日、二〇〇五年版「障害者白書」を閣議決定しました。国会で審議中の障害者「自立支援」法案で、政府は障害者福祉の利用者に原則一割の自己負担を求めようとしていますが、白書では障害者の所得保障が不十分な現状が紹介されました。
在宅の身体障害者(十八歳以上)の就労月収は、三分の一が十一万円未満でした。知的障害者(同)の場合は半数以上が三万円以下で、経済的に厳しい状況となっています。白書は、働く場である通所授産施設の工賃の平均月額が、身体障害者二・二万円、知的障害者一・二万円、精神障害者一・三万円と「極めて低い水準に止まっている」と指摘しています。
就労の状況を年齢別にみると、三十―三十四歳の場合、一般の就業率が74・2%なのに対し、身体障害者は45・7%、知的障害者は54・1%と、全体的に低くなっています。民間企業の障害者雇用は1・46%(昨年六月現在)にとどまり、法定雇用率の1・8%に達しませんでした。
障害者年金など公的年金を受けている人は、在宅の身体障害者(二十歳以上)の約六割。在宅の知的障害者(同)では、年金か公的手当の受給者が八割を超えました。
二〇〇〇年から〇二年にかけて実施された調査によると、身体、知的、精神障害者の合計は約六百五十六万人。一九九五年から九九年の調査と比べ、約九十三万人増加しました。白書は、国民のおよそ5%が何らかの障害を有しており、障害への理解を深める必要性を強調しています。