2005年4月6日(水)「しんぶん赤旗」
マスコミ九条の会発足
「独特の使命がある」
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「いまこそペンとマイクとカメラで九条を守ろう」と書かれた垂れ幕。マスコミ九条の会が五日、都内で発足記念のつどいを開き、三百九十人が参加しました。
同会は、評論家の秋山ちえ子さんやジャーナリストの鳥越俊太郎氏、門奈直樹立教大学教授らマスコミ関係者六十人の呼びかけで結成されたもの。会場は立ち見もめだち、熱気であふれたつどいとなりました。
呼びかけ人のうち四人が、独自の表現でアピール。詩人の大岡信さんは、自作の詩「前もつて知ることはできぬ『戦争はすべてを手遅れにする』」を披露。漫画家の石坂啓さんは、日本とアメリカの関係をアニメ「ドラえもん」のスネ夫とジャイアンにたとえながら、アメリカのイラク戦争を支持した日本の立場を子どもに伝えることはできない、と話しました。
脚本家のジェームス三木さんは、子孫にどういうバトンを手渡すか、百年後に軸足を置いて考えよう、と問題提起。戦争のない世界への道しるべとして日本国憲法がある、と訴えました。
子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵義文さんは、憲法改悪を推進している「新しい歴史教科書をつくる会」の公民教科書の危険性を強調。九条の会事務局長の小森陽一さんも飛び入りで参加、自民党が改憲試案の要綱を発表したことを受け、マスコミらしく危険性を国民に広く知らせてほしい、と訴えました。
記念講演で「マスコミ九条の会には独特の使命がある」と切り出した桂敬一立正大学教授。憲法をめぐる各紙の報道を比較しながら、改憲リーダーとしての「読売」の突出した役割とともに、護憲派といわれる「朝日」が揺らいできていることに警鐘を鳴らしました。