2005年3月25日(金)「しんぶん赤旗」
障害者自立支援法案
負担増で治療できない
腎臓病患者 各党に要請
「利用者負担増で、いつでも、どこでも、だれもが治療を受けられる状況を壊さないで」―。国会に提出されている「障害者自立支援法案」に更生・育成医療での患者負担の大幅増が盛り込まれています。全国腎臓病協議会(略称・全腎協、油井清治会長)は二十四日、東京・永田町で、集会「障害者自立支援法『各政党に聞く』」を開きました。各地の会員約百八十人が参加、患者の実態や声を踏まえての法案審議を要請しました。
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全腎協の試算では(通院の場合)、(1)市町村税を払っているが所得税非課税の世帯主は現行月額千円台が五千円+食費に(2)所得税を払っている人(年額四千八百円以下)は同千七百二十円が一万円+食費となります。全腎協は法案に危ぐを表明、(1)利用者負担を応能負担から定率負担にしない(2)入院時食事療養費を自己負担にしない―など四項目を要望しています。
日本共産党の山口富男衆院議員(党厚生労働部会長)は、同法案の狙いが障害者福祉制度改悪による予算切り捨てと介護保険制度への統合にあることを指摘。「日本共産党は、みなさんの四項目の要望に賛成です。徹底した十分な審議を求めていきます」とのべました。
各党代表は、「厳しい財政状況、問題もあるが理解いただきたい」(自民党)、「いろんな改革が必要」(公明党)、「問題点を明らかにして、克服していく」(民主党)、「現場を知らない国会議員に伝えていく」(社民党)と発言しました。
国会請願集会には、日本共産党の穀田恵二、吉井英勝両衆院議員、小池晃参院議員が出席、あいさつしました。
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育成医療・更生医療 育成医療は身体障害児(十八歳未満)が障害の原因疾患を治療することで効果が期待できるものに国が医療費を給付。更生医療は身体障害者(十八歳以上)の、障害の軽減や進行防止のために国が医療費を給付。育成医療は親の、更生医療は本人または家族の所得に応じて自己負担額は異なります。この自己負担分を都道府県で助成するところもあります。今回の国の制度改悪で自己負担が増え、都道府県でも制度が見直されると大幅な負担増となるおそれがあります。