2005年1月12日(水)「しんぶん赤旗」 05年度 予算案の焦点(4)文教教育に財政難しわ寄せ文部科学省の来年度予算額は、前年度比5・4%減の五兆七千三百三十二億七千百万円(一般会計)です。 「三位一体改革」についての政府・与党合意に基づき、義務教育費国庫負担金は来年度分は暫定措置として四千二百五十億円が減額されました。減額相当分は、税源移譲予定特例交付金(教職員給与費を基本に配分)により穴埋めされます。 学費を値上げその他の補助金もあわせると、「三位一体改革」にかかわる国庫補助負担金の廃止・縮減は四千四百六十九億円にのぼりました。(財務省資料より。補助金の一覧は別表参照) 国立大学の授業料標準額は一万五千円値上げされ、年間五十三万五千八百円となりました。いくらにするかは各大学の判断によりますが、上限が110%ですから五十八万九千三百八十円まで引き上げ可能です。各大学が値上げした場合、影響は今年四月の新入生だけでなく二年生以上の全学生に及びます。 国立大学法人運営費は、前年度比九十八億四千百万円減の一兆二千三百十七億二千九百万円です。減額の内訳は、大学運営の「効率化」で九十七億円減、病院経営の「改善」で九十二億円減、特別教育研究経費で四十五億円増、退職金・統廃合予算などで四十六億円増、としています。 私立大学の経常費補助は前年度比三十億円増の三千二百九十二億五千万円、私立高校以下が五億円増の千三十三億五千万円となりました。いずれも増額されたものの、伸び幅はわずかです。 奨学金事業には、前年度比三十五億二千四百万円増の千百五十億八千九百万円を計上。貸与人員が六万九千人増の百三万四千人となり、百万人を突破します。無利子の貸与月額が千円増額されます。海外留学希望者への有利子奨学金の貸与人員を千人から千四百人に、法科大学院生への貸与人員を三千五百人から五千八百人に増やします。 幼保一体化へ学校施設の耐震化の推進には、前年度比七億四千三百万円増の千八十八億一千二百万円が計上されていますが、公立文教施設整備費は前年度より九十億円の減です。 子どもの勤労観、職業観の育成を図ることを目的とした「キャリア教育実践プロジェクト」に五億円をつけています。中学生の職場体験を六十一地域で始めることなどがその内容です。 幼稚園と保育園を一体とした総合施設の二〇〇六年度からの本格実施を目指し、来年度はモデル事業を全国三十カ所でスタートさせます。保育士が幼稚園教諭の免許を取得できる資格認定試験も創設します。(つづく) |