2004年12月26日(日)「しんぶん赤旗」
【北京=小寺松雄】日本政府は二十五日、北朝鮮が提供した安否不明の拉致被害者十人に関する物証などの精査結果を北朝鮮側に伝達しました。日本側は「北朝鮮側の説明を裏付けるものはない」として北朝鮮側に強く抗議し、「誠意ある対応がない場合、厳しい対応を取る」との政府方針を伝えました。在北京日本大使館の堀之内秀久公使が同日午後、北朝鮮大使館で趙吉柱参事官に伝えました。
堀之内公使の申し入れの内容は、(1)「八人死亡、二人は入国せず」という説明は受け入れられず、誠意を欠く対応に強く抗議する(2)「白紙」に戻しての徹底した調査とは呼べず、横田めぐみさんのものとされた「遺骨」から別人のDNAが検出されたことは重大だ(3)真相究明を一刻も早く行い、生存者は直ちに帰国させるよう強く求め、迅速かつ誠意ある対応がない場合、日本政府は厳しい対応をとる方針だ(4)北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の早期再開を求める―というもの。
これに対し趙参事官は「めぐみさんの夫が別人の遺骨を渡すはずがない」などと、十四日の北朝鮮外務省スポークスマン談話を繰り返し、「遺骨」の返還を求めました。
堀之内公使は「鑑定は科学的」だと反論し、伝達した内容を本国に正確に伝えるよう要求。趙参事官は、本国に伝達すると答えました。