日本共産党

2004年12月15日(水)「しんぶん赤旗」

「粘り強く協議」重要

緒方氏 経済制裁でも態度表明

拉致問題決議全会一致可決


 参院拉致特別委員会は十四日、日本共産党を含む全会派共同提案の「北朝鮮による日本人拉致問題の解決促進に関する決議」を全会一致で可決しました。

 決議は、「北朝鮮の不誠実な対応は、我が国の尊厳を著しく損なうとともに、拉致被害者の心情を弄(もてあそ)ぶものであり、強い憤りを禁じ得ない」としたうえ、政府に「北朝鮮との間で、粘り強く協議を進める」ことを求め、北朝鮮にたいする効果的な制裁措置の発動を検討することなどを盛り込んでいます。

 日本共産党の緒方靖夫議員は同決議採決に先立つ質疑のなかで、「拉致問題の解決のためには、交渉を強めることが最優先だという立場であり、決議案に『粘り強く協議を進める』ことが明記されたことは重要だ」と強調。「北朝鮮の出した『資料』が意図的な虚偽を疑わせるものであり、そこに拉致の実行にかかわった『特殊機関』が介在しているという重大問題があることが判明した新しい局面のもとでは、交渉による解決を成功させるためにも、今後の交渉の推移と、北朝鮮側の態度いかんによっては、経済制裁もとるべき選択肢の一つとなることがありえる」とのべ、賛成の立場を表明しました。


北朝鮮による日本人拉致問題の解決促進に関する決議

参院拉致問題等特別委員会

 参院拉致問題等特別委員会で採択された決議は、次のとおりです。

 本年十一月に開催された第三回日朝実務者協議において、横田めぐみさん、松木薫さんのものとして北朝鮮側から提出された遺骨が、今般、我が国捜査機関の鑑定により別人のものであることが明らかとなった。

 この北朝鮮の不誠実な対応は、我が国の尊厳を著しく損なうとともに、拉致被害者の心情を弄(もてあそ)ぶものであり、強い憤りを禁じ得ない。

 平成十四年九月の小泉総理訪朝に際し、我が国の主権及び我が国民の基本的自由と人権に対する重大かつ明白な侵害である日本人の拉致という忌まわしい国家的犯罪行為の実行を北朝鮮が認めてから既に二年の歳月が経過した。この間、五人の拉致被害者とその家族の帰国が実現したが、先の実務者協議における安否不明者に関する北朝鮮側の説明は、我が国民の疑問に応えるものとはなっていないことが今回の鑑定結果により明らかとなり、このような著しく誠実を欠いた北朝鮮の姿勢は、強く糾弾されなければならない。

 政府は、この際、拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとの不動の立場を堅持し、北朝鮮との間で粘り強く協議を進めるとともに、次の諸点に留意し、拉致問題の抜本的解決の促進に遺漏なきを期すべきである。

 一 改正外為法や特定船舶入港禁止法等現行の国内法制上とり得る効果的制裁措置の積極的発動を検討すること

 二 いわゆる対北朝鮮人道支援については、北朝鮮側からの誠意ある回答が得られ、その信憑(しんぴょう)性が確認されるまでの間凍結すること

 三 今回の実務者協議の後、我が国に持ち帰った資料については、真相究明に寄与するよう、可及的速やかな科学的鑑定・分析を進め、その結果を当委員会に報告すること

 四 朝銀系信組に対する監督を一層厳格に執行すること

 五 拉致問題に関与した責任者・実行者等の厳正な処罰の執行とその報告、具体的な再発防止策の確立、拉致被害者に対する補償の確実な履行について、北朝鮮に対し強く求めること

 六 政府認定に係る拉致被害者以外で拉致の疑いのある事案についても、その真相究明に積極的に取り組むとともに、拉致被害の認定を進めること

 七 本年四月に国連人権委員会が採択した決議において、北朝鮮に対し拉致問題を明確に透明性をもって緊急に解決することを求めていることを踏まえ、かかる国際社会の支持と協力をより強固なものとするため、六カ国協議を始めとするあらゆる機会を捉え、外交的努力を引き続き強化すること

 八 帰国された拉致被害者及び家族に対する支援について、国、地方公共団体、民間団体の連携に留意し、十全の対応を図ること

 右決議する。



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