日本共産党

2004年10月13日(水)「しんぶん赤旗」

1億円裏金

橋本元首相「政倫審で話す」

志位委員長 疑惑隠し批判、喚問要求


 「政治とカネ」の問題が焦点課題の一つとなる臨時国会。十二日開会の冒頭から、自民党旧橋本派の日本歯科医師連盟(日歯連)からの一億円裏金事件をめぐって、与党側は政治倫理審査会(政倫審)による幕引きを狙う動きをみせました。日本共産党の志位和夫委員長は「政倫審はこれまでも政治家の疑惑隠しとして利用されてきた」と批判、証人喚問を求めました。

 当事者である自民党の橋本龍太郎元首相は同日午前、国会内で武部勤幹事長らと会談し、「政倫審の場で話をしたい」と衆院政治倫理審査会で一億円裏金事件の経過や自らの関与について弁明する意向を伝えました。

 政倫審は、その場での発言が偽証罪に問われることもなく、原則的に非公開。疑惑政治家の“みそぎの場”とされ、偽証罪が適用される証人喚問と重みが異なります。

 党執行部は橋本氏の政倫審弁明を了承。片山虎之助参院幹事長は「すぐ証人喚問をやるというのは(野党の)悪い癖だ」とのべ、日本共産党などが求める証人喚問を拒否しました。同党総務会でも「これは(橋本氏)個人の問題であり、総務会の中でとりあげる問題ではない。後は国対委員長が判断することだ」(久間章生総務会長)と党として幕引きをはかる動きをみせました。

公明、民主は

 政倫審などでの弁明はこの間、公明党が求めてきたもの。この日の同党両院議員総会で神崎武法代表は「事件の関係者は、政倫審や記者会見などあらゆる機会を通じて説明責任を果たすべきだ」とのべました。これは「説明責任」といいながら、政倫審でよしとするものです。

 志位委員長は記者団の質問に答え、「証人喚問という場にきちんと出てきて、テレビも入って、国民注視のなかできちんと真実をのべるべきだ」と指摘。政倫審での弁明については「密室で記者、マスコミ、テレビも入らない」と批判し、「証人喚問でやるべきだ」と強調しました。

 民主党の岡田克也代表も記者団に「正しい証言がきちんと担保される証人として喚問を求める方針に変わりはない」と語り、政倫審ではなくあくまで証人喚問を要求していく考えを示しました。



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