2004年10月3日(日)「しんぶん赤旗」
七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、一日の共同声明で原油高への懸念を表明しました。国際通貨基金(IMF)は原油価格が一バレル=五ドル上昇すると、世界経済の成長率が0・3%押し下げられると試算しています。ニューヨーク原油が一バレル=五〇ドル台に乗せている事態は、世界経済の大きな不安要因になっています。
しかし、G7が打ち出した方向には欠けている視点があります。ブッシュ米政権の責任です。米国は「原油がぶ飲み」といわれるように世界の原油消費の四分の一を占める一方、投機による原油価格つり上げの材料を与えています。
石油関係者は、いまの原油価格の四分の一程度は「戦争プレミアム(割増し)」だといいます。ブッシュ政権によるイラク戦争と中東の不安定化が、投機の材料にされ、原油を高騰させているという分析です。
ブッシュ政権は、問題の解決をもっぱら産油国の増産に求めていますが、産油国の増産と原油価格への影響力には限界があります。G7の共同声明にある消費国の省エネルギー対策と投機的な市場取引へのけん制は、ブッシュ政権の対応にはねかえる問題です。
渡辺健記者