2004年8月22日(日)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の志位和夫委員長は二十一日放送の日本文化チャンネル桜(CS放送)の「政党は主張する」に出演し、「しんぶん赤旗」の小木曽陽司編集局次長・政治部長のインタビューに応え、国政上の大問題になっている憲法問題について縦横に語りました。
志位委員長はこのなかで、改憲策動の焦点になっている憲法九条について、「戦争の違法化、つまり『戦争のない世界』をめざす流れを極限にまでおしすすめたもの」だとして、その先駆的な意義を強調。武力の威嚇と行使を包括的、一般的に禁止した国連憲章にいたる、戦争違法化の歴史を跡付けながら、「憲法九条は、そういう『戦争のない世界』をつくろうじゃないかという息吹を反映してつくられたものだと思います」とのべました。
しかし、世界はその後、国連安保理の常任理事国である米国とソ連との対決が長く続き、米国のベトナム侵略、ソ連のアフガン侵略などの無法な戦争にたいして、国連が十分に関与できない、無力といわれても仕方のない状況が続きました。志位氏は、この時期は、「九条を文字どおり実行に移して、『戦争のない世界』をつくろうといっても、現実がそれに合わない面もあった時期」で、「憲法九条にとっても不幸な時期だった」と述べました。
そのうえで、志位氏は憲法九条をめぐっては、イラク戦争を契機にして、「三つ目の時期」を迎えているとして、国連の多数が米国の無法な戦争を許さず、国連憲章にもとづく平和の秩序をつくりあげて「戦争のない世界」をめざそうという動きが世界に広がっていることを指摘。アジアでも平和の流れが広がるなど、二十一世紀に入って、「戦争のない世界」が現実味を帯びて大きな目標になる時代が到来しており、その意味で憲法九条の値打ちがいまほど輝いているときはなく、まさに「いまこそ旬」だと強調しました。
同時に、歴代政府が自衛隊の海外派兵を拡大しながら、海外での武力行使に踏み切れないのは憲法九条があるからで、徴兵制や核兵器の問題でも、戦争をしない、戦力をもたないという九条が偉大な力となって働いていることを強調。九条を変えるということは、そうした歯止めを取り外すことにもなるとのべ、「憲法九条改悪許すなの一点での国民的共同の輪を広げていきたい」と力を込めました。