日本共産党

2004年7月31日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員団総会での志位委員長のあいさつ

(大要)


 三十日午前、国会内で開かれた日本共産党国会議員団総会での志位和夫委員長のあいさつ(大要)は次のとおりです。


 参議院選挙での奮闘、本当にごくろうさまでした。

 まず、仁比聡平さんが、新しくわが議員団に加わったことについて、みんなで歓迎の拍手を送りたいと思います。(拍手)

国民の期待に応え、日本共産党ならではの役割果たす決意

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議員団総会であいさつする志位和夫委員長=30日、国会内

 選挙結果はたいへん残念なものでありましたが、つぎの選挙での前進をめざして、教訓と総括を深く引き出す作業をすすめているところであります。

 なかなか難しい条件の選挙ではありましたが、そのなかで比例代表で四百三十六万人、選挙区で五百五十二万人の方々の支持をいただいた、この支持の重みをしっかりかみしめてがんばりぬきたいと思います。「やはり共産党に入れてよかった」と思っていただけるような奮闘を、衆参の十八人の議員団が、元気いっぱい、国民の期待にこたえて、日本共産党ならではの役割を果たすという決意を、まず最初に固め合いたいと思います。(拍手)

 私たちは、つぎの国政選挙まではこの十八人で国会のたたかいをすすめることになります。国会というのは数がものをいう世界ですから、少数の制約というのはどうしても出てきますが、私は、そのなかでも、知恵と力をつくせば、大きな仕事ができると考えています。とくに三つの点を、重視してとりくんでいきたいと思います。

“国民の苦難と要求のあるところ党国会議員団あり”の原点に立って

 第一の点は、「国民の苦難と要求のあるところ日本共産党国会議員団あり」という原点に立った活動に、十八人が力をあわせてとりくむことであります。

 この点では、この間の新潟、福井、福島の豪雨災害に対するとりくみは、非常に大事なとりくみだと思います。党議員団は、現地の地方議員や、党支部のみなさんとも協力して、お見舞いと激励、復興にむけたとりくみを進めてきました。現地の様子をうかがいますと、住宅の被害とともに、地場産業の被害が激しい、農業の被害が激しいというのが特徴となっています。たとえば水害にあったニット業者の方が自殺に追い込まれるという痛ましい事態もおこりました。自然災害はある程度、避けられないものであっても、そのことによって自殺がおこるというのは、これは政治の責任以外のなにものでもありません。私たちはこの問題を重視して、生活と営業の復興・再建に、国の責任を果たさせるために、引き続き力をつくすものです。

 それから、改悪年金法の実施を許さないたたかいは切迫した課題になっています。十月実施が政府の計画ですから、待ったなしの課題であります。この問題での国民の審判は非常に明りょうで、選挙後の世論調査でも、約八割の方が実施をやめろという立場をしめしています。わが党は選挙公約の実践の当面の最大の問題の一つとして、改悪年金法の実施をやめさせる、この悪法をご破算にして、国民みんなが安心できる年金制度をつくるというたたかいに、国会でも、国民運動と協力した院外のたたかいでも、全力をあげてとりくみたいと思います。

 いま悪政のもとで、全国どこでも、生活苦、労働苦からの脱出を願う声は本当に痛切なものがあります。日本中にあふれています。社会保障でも、中小企業でも、雇用でも、それは本当に切実です。そのなかで、わが党議員団が、どんな問題でも現場に出かけ、現場のみなさんとたたかいをともにして、現場の声を国会に届ける代弁者としての活動にとりくみたい。このことをあらためてわれわれ議員団の活動の原点として確認し、全力をあげてそれにみんなで力を注ぎ込もうではありませんか。(拍手)

小泉・自公政治へのもっともきびしい批判者として

 第二に、小泉・自公政治に対するもっともきびしい批判者としての役割という問題です。もっともきびしい批判者というのは、土台からこの政治のゆがみをただす本当の改革の方針をもった批判者として、悪政を鋭く追及していくということがわが党の重大な役割だということであります。この立場で国会論戦をリードする奮闘を進めたいと思います。

 前国会をふりかえりますと、イラクの問題、年金の問題などで、わが党の的を射た追及が国会全体を動かす局面が何度もありました。わが党は、自民党政治をおおもとから変えるという確固とした路線をもった政党です。それから、相手が米国であれ、財界であれ、どんなタブーもなくものをいえる政党です。そういう党として、本当に本質を突いた論戦をやれば、国会の全体を動かしうる。そういう気概をもってあらゆる問題に立ち向かっていきたいと思います。

 いまの焦眉(しょうび)の問題の一つとしてのべておきたいのは、日歯連の問題です。

 この問題での自民党の腐敗というのは非常に深刻です。日歯連の“お抱え”といわれる国会議員が、「日歯連マネー」で選挙を買収していたという事態が明るみに出ました。最大派閥の橋本派に一億円のヤミ献金がわたっていたという事実も明らかになりました。この事実に対して橋本氏は、「そんな覚えはない」「どこが悪いのか」と居直りの姿勢を示していますが、言語道断の態度です。何を目的にあんな巨額な金が動いたのか―橋本元首相の証人喚問をはじめとして、腐敗と癒着の構造を徹底的に明らかにすることは国会の重大な責務となっています。

 この問題では、同時に、「日歯連マネー」が自民党だけではなく、公明党、民主党など、政界に広くばらまかれていたということも事実であって、受け取った政党・政治家はその責任と姿勢が問われるということものべなければなりません。

 この問題をとっても、企業・団体献金とはいっさい無縁の日本共産党が、その役割を存分に果たすことが強く求められていることをとくに強調したいと思います。

「二大政党」の問題点明らかにし、国民中心の新しい流れ広げるために

 第三は、そういうたたかいとあわせて、いわゆる「二大政党」の問題点を国政の場で明らかにし、それに対抗する国民中心の新しい流れを広げることに貢献する国会活動をすすめることです。

 とくに消費税増税と憲法九条改定という二つの大きな反動政治を許さないたたかいに正面からとりくむということは、今期のわが議員団の最大の仕事だと心得てがんばりぬきたいと思います。

 この問題では、国会開会直前にも重大な動きが相つぎました。

 消費税の問題では、昨日、細田官房長官が、記者会見のなかで、「社会保障制度に関する政府の懇談会や与野党の協議で引き上げの結論を出せば、三年後の引き上げ施行もありうるし、小泉首相の在任中に引き上げの措置をとることもありうる」ということを明言しました。そのあと首相が打ち消すような発言をおこなっていますが、政府・与党の本音がどこにあるかというのはすっかり明らかになったというのが現状であります。

 憲法の問題をめぐっては、アーミテージ米国務副長官が、「憲法九条は日米同盟の妨げだ」とする発言をおこないました。重大なのは、この発言がどういう場でおこなわれたかということです。その発言がおこなわれた会談に出席していた日本側の政治家は、自民党の国対委員長と民主党の団体交流委員長などでした。その会談の場でアーミテージ氏はこの発言をし、自民、民主の代表からは、この重大な内政干渉の発言に対して何の反論も出されなかった。ただうけたまわってそれを持ち帰ってきたというところがきわめて重大であります。

 その後、民主党の代表が訪米し、きょうの報道をみますと、米国での講演のなかで「憲法を改正して、国連の決議があれば、海外での武力行使を可能にするようにする」という発言をおこなったとのことです。すなわち“改憲では与党よりも熱心な党が民主党だ”ということを米国で売り込んだ。これも、非常に重大な動きであります。

 私は先日の記念講演でものべましたが、参議院選挙で、国民は増税と改憲にけっして白紙委任状を与えたわけではない。反対に、どの世論調査を見ても、増税の問題でも、改憲の問題でも、国民の六割前後の方々が「ノー」の意思表示をしている。国民の多数の声がここにあるということにぜひ確信をもって、この六割の声を代弁し、増税と改憲という二大反動政治を許さない論陣を大いにはり、それに反対する国民の運動を手をたずさえながら発展させるために力をつくそうではありませんか。(拍手)

 三つほど申しましたが、こういった活動に、国会議員団が力をあわせて日常不断にとりくみ、つぎの国政選挙の機会には、「そういう党だったらもっと大きくしなければ」「今度は共産党だ」というような評価を、多数の国民のみなさんにしていただけるような実績と成果を一つひとつ積み重ねるために、お互いに知恵と力をつくしてがんばりぬこうではありませんか。

 以上をもってあいさつとします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)


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