2004年7月3日(土)「しんぶん赤旗」
【ジャカルタ=北原俊文】東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の外相会議に続いて二日、アジア太平洋地域で唯一の多角的な政治安保対話の場であるASEAN地域フォーラム(ARF)の第十一回閣僚会議がジャカルタで開かれ、朝鮮半島情勢、イラク情勢、ミャンマー問題、ARFの今後の方向などについて話し合い、議長声明を発表しました。
今回の会議には、パキスタンが初参加し、参加国・機構は二十四となりました。新規参加は、二〇〇〇年の北朝鮮に次ぐものです。ARFは、北朝鮮の参加後、新規参加を凍結していましたが、今回、凍結を解除し、今後は、ケース・バイ・ケースで新規参加を認める方向です。
議長声明によると、ARF閣僚会議は、アジア太平洋地域の「主要な政治安保フォーラム」としてARFを強化すること、ASEANを「ARFの推進力」として支えていくことを確認しました。また、ARFの今後の活動方向として、信頼醸成の段階から予防外交の段階への進展を確認しました。
また、六月に北京で開かれた第三回六カ国協議を評価し、非核の朝鮮半島をめざして、平和的解決を着実に達成するよう求めました。
イラク問題では、イラクへの主権移譲を歓迎、主権の実質的な体現を確保する必要性を強調する一方で、イラクの安全状況に懸念を表明、暫定政府から民主的政府への移行過程における国連の中心的役割を強調しました。
ミャンマー問題では、すべての社会階層が進行中の国民会議に参加する必要性を強調し、ミャンマーに対して、民主化に向けた実際的行動をとるよう求めました。
また、中国が提案していた国防当局者によるARF安全保障政策会議(ASPC)の設置を承認し、第一回会議を今年末に中国で開催し、インドネシアがその議長を務めることで合意しました。
その他、大量破壊兵器の「不拡散に関する声明」「国際的テロに対して輸送の安全を強化することに関する声明」を発表しました。