2004年6月29日(火)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の志位和夫委員長は二十八日午後、遊説で訪れた札幌市内で記者会見し、二十七日のNHKの党首討論で小泉純一郎首相がおこなった「集団的自衛権の行使ができるように、憲法を改定すべきだ」という発言を批判しました。
首相の発言は「日本を守るために米国が日米安保条約で協力してくれる。日本といっしょにたたかっているのに米軍と共同行動ができない、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。その点は憲法ではっきりしていくことが必要だ」というもの。
志位氏は「改憲によって、集団的自衛権の行使をできるようにすべきだというきわめて重大な発言だ」と指摘。これが「アーミテージ(現米国務副長官)報告書」など米側が「集団的自衛権を採用せよ」と要求してきたことにこたえて、憲法を書きかえようというものであると強調したうえで、「米国のいう集団的自衛権とは何かをはっきり見定めることが必要だ」とのべました。
国連憲章五一条で規定されている集団的自衛権は、他の国連加盟国への攻撃が発生した場合、それを自国への攻撃とみなして反撃する権利のことであり、あくまで攻撃が発生した場合の反撃に限られるものです。ところが、ブッシュ米政権の「先制攻撃戦略」は、“攻撃される心配があるから先に攻撃する”というもの。イラク戦争は“大量破壊兵器がテロリストに渡ったら大変だから、やられる前にやる”という理屈でやられました。
志位氏は「これは国連憲章で規定された集団的自衛権ともまったく無縁で、国連憲章が厳しく禁じている侵略主義そのものだ」と指摘。「米国の要求にこたえて憲法を改定し、集団的自衛権の行使を可能にするというのは、日本が国連憲章をじゅうりんして、米国とともに集団的侵略という無法行為をおかす国となる道を開くものだ」と批判しました。
そして、「日本を危険で無法な道にひきこむこうした動きに強く反対し、今度の参院選を改憲を競う勢力にきびしい審判を下す選挙にしていきたい」と強調しました。