2004年6月24日(木)「しんぶん赤旗」
【北京=菊池敏也】北朝鮮の核問題をめぐる第三回六カ国協議が二十三日午後、北京の釣魚台迎賓館で始まり、各国首席代表が冒頭発言をしました。
議長を務める中国の王毅外務次官は、「今回の協議では二つの問題が焦点だ。第一に核計画放棄の範囲や方式などを含め、どう非核化を実現するか。第二は、核凍結の実施とそれに対応する措置を含め、どう非核化のプロセスの第一歩を踏み出すかだ。これには核凍結の実施と各国による相応の措置が含まれる」と指摘しました。
北朝鮮の金桂冠外務次官は、核凍結の見返りに補償することが「こう着した局面を打開する最も現実的な案」と強調。米国がCVID(完全な検証可能で不可逆的な核廃棄)を撤回し、同案を受け入れる前提で、「核計画凍結の具体案を提出する用意がある」と述べました。
日本の藪中三十二・外務省アジア大洋州局長は、一カ月前の小泉首相の再訪朝と日朝会談での金正日発言に触れ、「核問題の解決のための実質的で包括的な討議に貢献したい」と述べました。
最後に発言したケリー米国務次官補は、「永遠に核兵器のない半島を実現することがわれわれの共通の目標」「全面非核化の目標実現のために努力する」と発言。CVIDの表現を用いず、核の平和利用まで禁止する表現をとりませんでした。
協議後に記者会見した韓国の李外交通商次官補は、米国が新提案をし、北朝鮮は真剣に核凍結に関する立場を表明したと語りました。