2004年6月22日(火)「しんぶん赤旗」
【クアラルンプール=三浦一夫】東アジア各国のシンクタンクや準政府機関などの代表が集まって地域の平和と協力について話し合う第二回東アジア会議が二十一日、マレーシアの首都クアラルンプールで始まりました。
会議冒頭のあいさつでアブドラ・マレーシア首相は、「いまこそ(東アジアの平和と協力のための)東アジア共同体建設を新たな局面と方向に向かってすすめるべきだ」と強調、いくつかの提案をおこないました。
アブドラ首相は、十三年前にマレーシアのマハティール首相(当時)が東アジア共同体を提起したときには無視されたが、いまでは「そのような共同体をつくることの価値は自明のことになっている」と指摘。新たに、「東アジア平和共同体」「東アジア経済共同体」「東アジア外交共同体」の設置を提唱しました。
同首相はさらに、そのような共同体の発足のために新たな条約を結ぶのではなく、東南アジア諸国連合(ASEAN)の設置を決めた一九六七年のバンコク宣言のような「宣言」をおこなうことを提起しました。
とくにアブドラ首相は、この共同体は民主的で多方向性、多様性を備えたものでなければならないとし、その上で「『大東亜共栄圏』の再現を望むものはいない」と強調したのが注目されました。
東アジア会議の主催者は、マレーシアのシンクタンク、戦略国際問題研究所。昨年につづいての開催で、今年は約六百人が参加しています。