日本共産党

2004年5月19日(水)「しんぶん赤旗」

小泉首相再訪朝を前に

北朝鮮問題と日本共産党の立場を語る

東京・武道館 不破議長が演説


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演説する不破哲三議長=18、東京・武道館

 日本共産党の不破哲三議長は十八日夜、東京・日本武道館の演説会で、小泉首相の再訪朝をめぐって、拉致問題を含む北朝鮮問題の解決と北東アジアの平和関係の確立をめざす日本共産党の立場を詳しく説き明かしました。

拉致事件を国としてとりくむ条件を築く

 不破議長は「わが党は外交問題で、『なんでも反対』の政党ではない」とのべ、外交では、本当の意味で国益にかかわる問題では政府に協力もするし、問題の道理ある解決のために助けとなる提案も行うと指摘。北朝鮮問題でも国民の安全と日本の平和の利益を最優先する立場でとりくんできたとして、拉致問題のとりくみを節目ごとに明らかにしました。

 第一に、拉致問題を国政の上で最初に提起し、その解決を政府に要求してきたのは日本共産党だということです。

 拉致事件は、北朝鮮が一九七〇年代〜八〇年代に国際的な無法行為を重ねるなかで、その一つとして起こったものでした。当時、他党が北朝鮮との親密さを競い合う状況で、全国に起こった行方不明者の事件についても、北朝鮮の問題としてとりあげる党がないなか、日本共産党が国会で初めてとりあげ、政府に初めて北朝鮮の「拉致」の疑いがあると認めさせました。

 不破議長は、そのことが、国としてとりくむ条件を築くうえで重要な役割を果たしたと強調。「北朝鮮というと、日本共産党が親しいように誤解している人がいるが、実際は反対。無法を無法と堂々といって、そのために二十年来、党のつきあいを断ってきたのが日本共産党」と訴えました。

交渉による解決へ粘り強く提案し政府動かす

 次の問題は、拉致問題を、どうして解決するかということです。

 不破議長は、国交正常化の交渉を再開するなかで、拉致問題を解決することを粘り強く提案し、最後には政府を動かしてきた日本共産党の役割を明らかにしました。

 日朝間で国交交渉も含め、なんの交渉ルートもないなか、一九九八―九九年、北朝鮮のテポドン・ミサイル問題で緊張が高まりました。このとき、不破議長は国会で交渉ルートもなしに軍事対立ばかりが強まるほど危険なことはない、すぐ交渉ルートを開き、拉致やテポドンの問題も含め、国交正常化につながる交渉を開始すべきだと二度にわたって提案(一九九九年一月、十一月)。最初は動かなかった政府・与党も、最後にはこの提案の線で超党派議員団の派遣を計画し、日本共産党の参加を求めてきたのです。

 こうして二〇〇〇年から政府間交渉がはじまり、二〇〇二年には小泉訪朝、日朝平壌宣言となりました。不破議長は「野党のなかでも当時の民主党や自由党は口をきわめて反対したが、私たちが評価したのもこの立場からだった」と指摘しました。

21世紀、 日本がアジアで平和に生きてゆくために

 今回の再訪朝はどうか。不破議長は、今回の再訪朝も同じ線の上でのことだとして、「どんな結果になるかをいまから予告することはできないが、日朝平壌宣言というレールが敷かれているのだから、この線で努力をつくす以外に前向きの道はない」と強調しました。

 北朝鮮の話になると、現体制打倒の立場から議論する人について、「その国の政治をどうするかは、その国の国民の問題。自分が気に入らないからといって、国と国との関係に打倒論を持ち込んだら、ブッシュ政権がイラクでやったのと同じ立場に落ち込むことになる」と批判しました。

 そして、拉致問題を解決し、国交正常化への道が開かれれば、「六カ国協議にもよい影響をあたえ、北朝鮮が、国際的な無法を清算して、国際社会に復帰する新しい条件の確立にも必ず役立つ」と強調。そのことは、「北東アジアに、ルールある平和の国際状況をつくりだすことであり、二十一世紀に日本がアジアで平和に生きてゆける情勢を強めることだ」とのべ、北朝鮮問題の解決、北東アジアの平和関係の確立をめざす日本共産党の立場を訴えました。


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