2004年5月7日(金)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は六日午前、首相官邸に外務省の田中均外務審議官と藪中三十二アジア大洋州局長を呼び、北京で行われた日本人拉致問題に関する日朝政府間協議の内容について詳細な報告を受けました。この後首相は記者団に、拉致被害者の家族の帰国方法について「具体的な話はあったが、日朝平壌宣言全体の話がある。まだ中身は言えない」と語るとともに、核問題などとの包括的解決をめざす考えを強調しました。
北京で四、五両日行われた協議について政府は、家族八人の帰国問題に関し、原則論にとどまらず「問題解決のため突っ込んだ意見交換ができた」(藪中局長)としています。首相は田中審議官らに対し「議論をよく整理して、今後の協議を進めてほしい」と指示しました。
また、細田博之官房副長官は六日午前の記者会見で、今回の協議について「(北朝鮮も)こういう協議が必要だという認識を示したことは非常に意味がある。双方の意見交換ができたことはそれ自体意義がある」と評価しました。また、協議の内容に関しては「(北朝鮮は)これまで口を極めて日本側を批判してきたが、(今回は)そうではなかったらしい」と述べました。