日本共産党

2004年4月23日(金)「しんぶん赤旗」

中朝会談

6カ国協議・非核化で一致

金総書記明言に政治的重み


 【北京=菊池敏也】北朝鮮の金正日・朝鮮労働党総書記(国防委員長)が十九日から三日間、中国を非公式訪問し、胡錦濤総書記(国家主席)をはじめとする中国指導者と会談。北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の問題で「立ち入った意見交換」を行いました。

 中国側は、今月中旬に訪中したチェイニー米副大統領との接触を通じ、六カ国協議に対する米国の主張や北朝鮮の核兵器開発への懸念をよく知る立場です。今回、北朝鮮の最高指導者と直接、意見交換したことで、米国の主張や懸念も北朝鮮に伝えられたものとみられます。

 中朝両国の首脳は、六カ国協議などで得られた「積極的成果を高く評価」するとともに、対話を通じて核問題を平和解決する立場を堅持し、六カ国協議のプロセスをともに推進し、最終的な平和解決を目指して貢献することで一致しました。

 その中で、金総書記の具体的な態度表明が伝えられたことは重要だといえます。金氏は「最終的に非核化する目標を堅持し、対話を通じて平和解決を求める朝鮮側の基本的立場は変わらない」「辛抱強く、柔軟性をもって六カ国協議のプロセスに積極的に参加し、この協議が進展するよう貢献する」と表明しました。

 この表明は、六カ国協議に対する積極的な基本姿勢を示したもので、北朝鮮の最高指導者の発言として、政治的な重みを持つものです。

 両国首脳は「朝鮮半島の非核化」で一致しましたが、あくまでも「非核兵器化」であることを改めて確認しました。

 一方、胡総書記は北朝鮮側の「合理的な関心事(懸念)を重視し、解決すべきだ」と表明しました。北朝鮮が米国に抱いている安全保障上の懸念を中国も重視する立場を示しました。

 中国共産党中央対外連絡部の劉洪才副部長も新華社のインタビューに答え、首脳会談で得られた成果の一つとして、「六カ国協議をともに推進することで一致して同意した」ことをあげ、こうした「積極的態度表明」は、協議のプロセスの進展と核問題の最終的平和解決に「曙光(しょこう)をもたらした」と強調しています。

 今後、六カ国協議の作業グループづくりにむけ、具体的な動きが始まるものとみられます。中国が各国に提示した「概念文書」は、五カ国も基本的に同意しています。当初、定められた六月末までに第三回協議を開くという日程に沿って、各国が交渉のテーブルに着けるか注目されます。


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